悲しみの青空


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 ジョン・レノン
 ♪Because the sky is blue, it makes me cry.
   ※Because by The Beatlesより
  と歌い
 桑田佳祐
 ♪悲しみの青空 忘れがたき顔と顔
   ※平和の鐘が鳴る by サザンオーススターズより
   と歌いましたが・・・

 
 

桑田佳祐と佐野元春

Youtubeで見つけた。
https://www.youtube.com/watch?v=NT9zq4fbeA0
TBSラジオの「元春radio」という番組の録音。佐野元春爆笑問題のトーク。
この動画のタイトルは「佐野元春桑田佳祐との関係を語る:曲を一緒に作る日が・・・」

佐野元春桑田佳祐。同世代の2人の関係性はこれまであまり話題にもならないが、80年代半ばには同じステージを踏んだこともあるし、時々桑田さんのラジオで佐野さんのことが語られる日もある。なにより、2013年、2015年と、桑田さんは自身のラジオ番組「やさしい夜遊び」の年末特集で、佐野さんの曲をグランプリに挙げたりして近年も佐野さんの曲が好きなんだなと感じる次第。そんな二人がお互いをどのように感じているのか、というエピソードを2つ。

佐野さんが以前やっていたNHKの番組で、作曲家を招いて作曲について話し合ったりする番組「ソングライターズ」というのがあったが、そこでなんと桑田さんをゲストに呼ぼうと、佐野さんが桑田さんに手紙を書いたという事実!またそれが、桑田さんの「ふとした病」の最中だったこと。桑田さんからは分厚い手紙が届いたそうな。内容は、いろんな事情により今はお応えできないという断りの手紙だったそうだが、後で佐野さんは桑田さんの闘病のことをニュースで知ったのだそう。ちなみに、分厚い手紙の中身は、大きな文字で書かれていたからだった・・・。
この話は初めて明かされたのだそう。二人に手紙のやりとりがあったとは!もしこれが実現していたら・・・

84年、佐野さんは"SOMEDAY"の大ヒットのあと、単身ニューヨークにわたり"VISITORS"というアルバムを発表。ヒップホップの要素を取り入れた当時としては革新的な内容だったし、僕たちファンにもショックを与えるアルバムだったけど、サザンのメンバー全員でこのアルバムを必死で聴いていた。同世代で当時は人気を二分すると言っていいくらいの2組だったけど、それほどサザンも佐野さんを意識していたのか。確かにサザンもその後ロスアンゼルスで全編英語の"TARAKO"をレコーディングしたりと、アメリカ進出をもくろんでいた形跡がある。
この佐野さんの行動や作品がサザンに刺激を与え、"KAMAKURA"という、これもある意味革新的な作品につながる一要因となったとすれば凄い話だ。

佐野さんは「いつか桑田さんと一緒に曲をつくるなんてことはないのか?」という爆笑問題の問いに対し、「きっとあるんじゃないかな」と非常に前向き。実現したら、僕たちには言葉にならないほど嬉しい話だ。いつかそんな夢が実現するかもという希望があるだけでも生きる理由になると言ったら大げさか?いやそうでもない。

 

 

教えてEric Clapton

Q.1 ♪いとしのレイラはなぜ2部構成なのか?
 前半のあまりにも激しいギターのリフと歌。後半のあまりにも美しいバラード。そして2006年のデレク・トラックスのソロで初めて気づいた、空を彷徨うようなスライドギターソロ。美しすぎる。これは完ぺきなバランスなのか、世界の破たんなのか?この後半がなかったらこの曲はどうなっていたのか?

Q.2 クラプトンのライブはなぜアルバムと連動しないのか?
 世にはアルバムを出すとそのプロモーションを兼ねてライブツアーをやるアーティストは多い。というかそれが定番といっても言いだろう。サザン・桑田さんももちろんそう。なのにクラブトンは違う。ニューアルバム後のライブも、選曲はニューアルバムとまったく関係なかったりする。いったいこの人はどういうつもりでライブをやっているのか?
 また、ほとんど100%、クラプトンの曲はレコードよりもライブが10倍くらい良い。

Q.3 愛する人を亡くす
 親友ジョージハリスン、盟友デュアンオールマン、かけがえのない仲間リチャードマニュエル、そしてわずか5歳の息子までも。クラプトンは彼が愛する人たちをあまりにも多く亡くしてきた。そしてその痛みを素晴らしい曲にして送り出してきた。
♪Holy Mother ♪Tears In Heaven 

Q.4 クラプトンにとってブルースとは?

 クラプトンはギターの上手い女たらし?
 元薬物依存でアルコール依存で、女にだらしない情けないオッサン?
 ブルースを体現している神?
 桑田さんがクラプトンのことを「尊敬する人」と呼ぶのはなぜ?

Q.5 ロバートジョンソンっていったい?
 ロバートジョンソンは、クラプトンの解釈がなければこれほど有名になっていないだろう。なぜあんなペラペラのギターと甲高いボーカルを「こんなに厚みのあるサウンドを聴いたことがない」とか表現できるのか!?

 
 

テデスキ・トラックス・バンド

ギタリスト兼ボーカリストのスーザン・テデスキとスライドギターの名手デレク・トラックスの夫婦によるバンド。

 
桑田さんのラジオがきっかけで知り、Apple musicで聴いてみたけど、今時こんなソウルフルなルーツミュージックが楽しめることにビックリ❗️
最近は洋楽の新作を聴くことも、昔から聴いている一部のアーティストを除いてはめっきり少なくなったけど、こういうルーツミュージックをやってる人がいるということが嬉しい。
スーザンテデスキは昔のボニーレイットみたいにハスキーでソウルフル。デレク・トラックスはクラプトンバンドで聴いたことのある、やや野太いテイストのスライドギターが個性的。70年代初期のサザンロック、スワンプロックというのか?土の匂いがしそうなサウンドが心地良い。
 
しばらくのめり込んでみようか。
 
 
 

桑田佳祐のスライドギター

Apple musicを彷徨っていてふとジョージハリスンのアルバムを聴いた。

ほとんどの曲で響くスライドギターの音色。こうして改めて聴くと、桑田さんの曲にジョージへのオマージュ、というかスライドギターの曲が多いことに気づく。
 
♪胸いっぱいの愛と情熱をあなたへ
♪ロックンロールスーパーマン
♪バラ色の人生
♪いとしのフィート
♪ふたりだけのパーティ
♪ラッパとおじさん
♪ブルースへようこそ
アコースティックなら
♪Blue Heaven
他にもあったかな。
 
何かのインタビューで桑田さんは♪胸いっぱいの~について、「ジョージハリスンへの愛ですよこれは」と語っていたし、先日もラジオ番組「やさしい夜遊び」で「ジョージハリスンはギターが上手な人ではなかったけど、スライドギターは素晴らしかった」という意味のことを言っていた。
 
上記の曲も名曲佳曲揃いだし、ロックンロールスーパーマン等ライブで間奏のスライドギターを斉藤誠とハモるあたりいつも凄く楽しそうにプレイしているのが印象的。
 
クラプトンにもスライドギターの曲はあるけど、ジョージほど徹底してないというか、ゆったり身を委ねてしまうようなスライドの音色はジョージの(おそらくは)誠実でちょっと女々しい性格に合っていたのか?
 
そんなことを考えながらジョージや桑田さんのスライドギターを聴くと泣ける。

追記)4月2日オンエアの「夜遊び」で、テデスキ・トラックス・バンドのライブに行ったと話していた。これでまた思い出したけど、デレクトラックスといえば2006年に行ったクラプトンのツアーに参加してたギタリストで、オールマンブラザーズバンドのドラマーの甥だとか。クラプトンの「デレク&ザ・ドミノス」は彼の名をとったのだとか。この人もスライドギターの名手で、ライブでの♪いとしのレイラの故デュアンオールマンを彷彿させるスライドギターは今でも忘れられない。
クラプトン、デュアンオールマン→デレクトラックス、またローウェルジョージ(リトルフィート)。桑田さんのルーツが垣間見える。自身の楽曲の中で、桑田さんは自分のルーツを確かめ見果てぬ夢をかなえようとしているのだろう。
 
 

♪勝手にシンドバッド  by サザンオールスターズ

2016年3月26日放送の「桑田佳祐やさしい夜遊び」を聴いてぶっ飛んだ。

東日本大震災から5年。宮城県女川町で続けられてきた「さいがいFM」がその役目を終える節目として、なんと「やさしい夜遊び」の生放送。そしてなんとその1曲目が♪勝手にシンドバッド
ラジオでの小編成の生放送なので、いつもの大騒ぎのサザンのライブでのこの曲とはちがってどうなるのかと思ったら、これが聴いてびっくり。アコースティック編成でこの曲をやるのもびっくりしたけど、リリースされて37年経っていうのもバカだけど、これぞ真の名曲だと気づかされた瞬間。

音楽のことは詳しくないのでうまく表現できないけど、ちょっとマイナーな感じの曲調が、この曲特有の疾走感の中に愁いをたたえ独特の深みを与えている。まるでジプシーの祭りで歌われる、深い悲しみをたたえた魂の叫びがここにあるような。
もっとテンポを落として、STINGあたりが歌ったらどうなるんだろう?って想像を巡らせてみたくなる。

 
 

Bellbottom blues by Derek&the Dominos

これも情けない男つながりの1曲。

印象的なギターのリフ、切ないメロディ、情感たっぷりのクラプトンのボーカル。
 
ベルボトムというタイトルからの連想か、個人的にはこれぞ「切ない青春」という表現がぴったりの名曲。
 
Do you wanna see me crawl across the floor to you?
Do you wanna hear me beg you to take me back?
 
とか、歌詞はまぁ情けなくてめめしい男の心理をストレートに表現していて、なんか共感できてしまう自分が…(^_^;
 
クラプトンの数ある曲の中でも個人的には最も重要な曲のひとつ。
2001年に初めて体験したクラプトンのライブでこの曲のアコースティックバージョンを聴いた。またそのツアーはOne more car, one more riderというアルバムでリリースされているけど、これがまた70年代のスタジオ盤の緊迫感とは違ってちょっと緩い感じで、これがまたいい。
 
反骨の精神もロックの重要な1要素だけど、悲しみや苦しみといった人の魂をストレートに映し出す文化だとするなら、これこそ最高の1曲かも。