Yin Yang(Album version)/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

13. Yin Yang(Album version)

なぜかここに突然2013年にシングルで発表されたこの曲が来る。1曲だけ4年前の曲でちょっと違和感があるが、いい曲なのでまあいいか。アルバム初収録だし。個人的には、この曲を入れるなら、当時カップリングだった「涙をぶっ飛ばせ!」も入れて欲しかったけど、収録時間の関係かな?

ライブ「ヨシ子さんへの手紙」や「がらくた」では「恋人も濡れる街角」とメドレーで演奏され、特に「がらくた」でのダンサーとの絡みも楽しく、ライブ中盤を大いに盛り上げた。

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ヨシ子さん(Album version)/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

12. ヨシ子さん(Album version)

このアルバムが出た頃にはもうこの曲は押しも押されぬ桑田さんの代表曲みたいになっていたので、アルバム後半のこの場所にどっしり構えている横綱のような貫禄。このあたりの流れは1曲1曲がバラエティに富んで、どれも貴重な曲で、ほんとに素晴らしい。傑作。

曲について詳しくはシングルの稿をご参照ください。

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オアシスと果樹園/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

11. オアシスとか果樹園

シングルカットはされなかったが、「若い広場」とこの曲が2017年のメインに位置づけられた。JTBのCMソングでもあったので旅とか広い海のイメージがあり、その点からもスケールが大きく感じられる。

個人的には、やはり海つながりでどことなく加山雄三さんの曲をイメージさせるような気もしてもしかすると桑田さんもその辺を意識していたのかな?なんて想像も楽しい。

でも最初に聴いた時にはなんだかピンと来なかったのだけど、何度も聴いているうちにだんだんとお気に入りになり(←これはよくあるパターン)、ライブで聴いてそのノリノリ感、ドライブ感に圧倒されて大好きな曲となった。ライブツアー「がらくた」では終盤の盛り上がりで演奏されて会場大盛り上がり。これからもライブの定番になっていくのではないか。

なお、1番と2番の間で「ボンボンボン・・・♪」とボーカルでベースラインをなぞるようなところがあり、これについて桑田さんは「ポール・マッカートニーなんです」と言っていたが、ポールのどの曲にそんなのがあるのかわからない。どなたかご存知の方がいたら教えてください。

ほととぎす(杜鵑草)/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

10. ほととぎす(杜鵑草)

なんという美しさ。なんという儚さ。なんという深い悲しさ。

この曲だけは他の曲とは違うという特別な美しさを感じてしまうのは自分だけか。

一切の無駄を排除してそこに残ったピュアな美しさに泣ける。

「ほととぎす」とは鳥のホトトギスではなくて、野草の杜鵑草。花言葉は「永遠にあなたのもの」「秘めた意思」。

何かここに感想を書くのも、この曲の純粋さに余計なものを上塗りするようではばかられるのでこのくらいに。

ライブでは2017「がらくた」で、曲前半は真っ暗な中にステージ奥から当たる照明に照らされて桑田さんのシルエットだけが浮かび、演奏もピアノだけで広いアリーナやドーム会場に桑田さんのボーカルだけが響き渡るという究極にシンプルな演出。広い空間に響く桑田さんのボーカルとその残響が強烈に耳に残っている。

 

百万本の赤い薔薇(Album version)/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

09. 百万本の赤い薔薇(Album version)

このアルバムバージョンはシングルとちょっと違うところが聴いていてわかる。

伴奏のギターのフレーズが全般的にシングルバージョンよりも大きくなっていて、音に厚みが増しているように思う。

個人的にはここらあたりからのアルバム後半の流れが大好きで、自分にとって大切な曲が並ぶ。

ライブでは、2016年の年末ライブ「ヨシ子さんへの手紙」ではなぜか演奏されなかったが、2017年の「がらくた」ツアーではライブ前半で演奏され、金原さんのバイオリンが最高、薔薇の花の映像の演出も見事で、すごく盛り上がった。

曲について詳しくは、シングルの稿をご参照ください。

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サイテーのワル/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

08. サイテーのワル

テクノロジーを活用しまくったハードロック。アルバムの中にたいてい1曲はこういうのが入っている。グイグイ引き込まれる迫力がある。

Tigerのちょっとエスニックなスキャットが入っていたり、桑田さんのボーカルにもエフェクトをかけてみたり、敢えてリズムのパターンを崩した不規則なブレイクを入れてみたりとなかなか凝ったつくりになっている。

歌詞は現代の「炎上社会」「血祭り社会」をアイロニカルに歌っている。インターネット上であることないこと真偽もわからない情報が拡散され信じられて、誰かが一方的に悪者になる、という現代の一種の病理を桑田さんは訴えようとしているのだろう。