読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

佐野元春LIVE2014.11.08.Sat@クラブクアトロ広島

佐野元春&The coyote band Live tour 2014
2014.11.08.Sat. @クラブクアトロ 広島

おそらく1992年の周南市文化会館以来の佐野元春ライブ。
 佐野元春を一生懸命聴いていたのは80年代のことで、92年の“Sweet 16”もよく聴いたけど、それ以来はすっかりご無沙汰していて、iPod時代になってからは昔のアナログ音源もそのままになって、ほとんど聴くこともなく。

 今年の初めに「桑田佳祐やさしい夜遊び」の2013年邦楽ベスト20の1位に桑田さんが佐野さんの“La Vita e Bella”を選んだという話を聞き、久しぶりに聴いてすっかり引き込まれた。またアルバム“Zooey”も久しぶりに聴きこんだ。約20年ぶりのライブ参戦は、昔の親友に会いに行く感覚。
 会場のクラブ・クアトロは初めて行ったが、思ったより狭い(^-^;; ステージが良く見えるように後ろの方の少し高くなったところに陣取る。

 開演前のBGMはドゥービーブラザーズとか70年代のウェストコーストのロック。開演時間を5~6分過ぎたころ、会場が暗くなり、BGMが変わる。これはスライ&ザ・ファミリーストーンの“Family Affair”か。
 そして5時38分バンドメンバーが登場し最後に佐野元春登場!大歓声!ちなみに客層はやはり自分達の年代から少し下くらいの40~50代中心。サザンだともっと若い人もいるけど、さすがに少し限定されているか?

M1 「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」
 注目の1曲目は、最初よくわからなかったけど、「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」。ブラスセクションで演奏されていたイントロがギターになっていた。でもパワフルな演奏で曲も懐かしいが懐かしさだけではないチカラがあって、ガッチリと掴まれた。久しぶりに会った親友が今も頑張っていることをしっかり感じられてこちらも高揚してくる感じ。
 1曲目が終わってすぐにMC。現在のバンド、コヨーテバンドを紹介し、アピールする。佐野さんのあのカッコつけた特徴のあるしゃべり方はいくぶんやわらかくなっていた。「次は80年代の曲を」と紹介して次の曲へ。

M2 「スターダストキッズ」
 事前に予想していた時に「この曲はないだろう」と予想した1曲。当時このような『若者特有のかがやきやせつなさを歌った曲』が多く、このトシになると聴くのも恥ずかしいし、演奏もできないんじゃないかと思っていたのでびっくり。イントロのサキソフォンのパートは自ら演奏するブルースハープで。やはり聴いてるのが恥ずかしい感覚はあるけど、これぞ佐野元春!という曲なので、「佐野元春のライブに来たな!」とだんだんと浸り始める自分がいた。
 続いてのMCではコヨーテバンドの最初のアルバム「コヨーテ」から何曲か、と紹介。

M3 星の下 路の上
 このアルバムは実は聴いたことなかったけど、この1曲だけでも佐野さんの新しい(といっても結成は6年前だそうだが)バンドがどんなバンドかよくわかる曲。今の佐野さんがやりたい音楽というのはこういう音楽なのだろうということが想像できる。ソリッドでシンプルでソウルフルな、ありそうでないバンドかも知れない。特に現代では。

 さらに続けて「コヨーテ」アルバムから3曲。“「コヨーテ」アルバムは自分で言うのもなんだけど、すごくいいアルバムなんだ。このアルバムにはアップビートの曲だけじゃなく、ミドルテンポの曲でもいい曲が何曲か入ってる。”
M4 夜空の果てまで
M5 Us
M6 黄金色の天使
 この辺は正直初めて聴いたが、久しぶりに会った友達の、会ってなかった頃の様子を見て、「あー彼も頑張ってたんだなぁ」と感じ入った次第。聴いてなくてごめんなさい。

 そして次からはいよいよ最新アルバム「ZOOEY」からの曲を。
M7 La Vita e Bella
 今回一番聴きたかった曲。もっと後半の盛り上がるところでくるのかと思ったのでちょっと拍子抜けだったけど。事前にYoutubeで見ていたイメージ通りのライブ演奏。佐野さんの細かく刻む手拍子が印象的。後半のバンドの演奏が超パワフルでカッコいい!メロディも詩もシンプルでソリッドで、胸が締め付けられるほどせつないけどチョー前向きなところが佐野さんらしい1曲。この曲を生で聴けたことを大切な思い出にしたい。

M8 世界は慈悲を待っている
 60年代のモータウン風のリズムを持つソウルフルなロックナンバー。佐野さんのポップミュージックへの造詣の深さとセンスを感じさせて大好きな曲。
M9 ポーラスタア
 これも今の佐野元春を代表すると言ってもいい曲だと思う。作曲とアレンジのセンス、バンドの演奏力が若いころとは違う、勢いだけじゃない佐野元春のロックを構成している。「コヨーテ」アルバムのパートはミドルテンポの曲が多かったけど「ZOOEY」のパートになってからはアップビートの曲が多くてすっかり引き込まれていた。身体が自然に反応し始める。
M10 食事とベッド
 MCで「この会場には2種類の人がいる」と話すと「男と女!」という会場からのツッコミに「その通り!」で会場爆笑みたいな軽妙なトークや会場とのやりとりを随所に交えてオーディエンスとのコミュニケーションをとっていく。このあたりは昔のライブにはなかった。佐野さんもミュージシャンとしてだけでなく、ステージパフォーマーとしても大人になったということか。
 「男と女がどうすれば仲良くできるのか、4年間ずっと考えてできた曲」と言って紹介。これも軽快な曲。

M11 詩人の恋
 一転してしっとりとしたバラード。この曲もぜひ聴きたかった1曲。ライブの流れの中でもアップビートの連発のあとで雰囲気を変えるいいアクセントとなったか。
♪「君といつかこの世界を変えてみたい」。

 この後、今The Coyote Bandと新しいアルバムを制作中という話をして、そのアルバムから何曲か聴いてもらいたいと言って2曲演奏。
M12 君がいなくちゃ
印象としてはミドルテンポのPOPな曲。演奏後のMCで「タイトルは何だか15歳の少年みたいだろ?15歳の時に作った曲なんだ。」ホントかな?

M13 優しい闇
 ちょっと哲学的なタイトルだけど、曲のイメージはアップビートが弾けるイケイケの曲。初めて聴いた曲ながらかなり楽しめた。この曲あたりがシングルとして発表されるのか?

M14 ボヘミアングレイプヤード
 これは予告なしにスタート。今回のライブの流れの中でも明らかに他の曲とはテイストが違い、雰囲気を変えようとしていたよう。イントロから、聴いたことはあるんだけどタイトルとか思い出せない。有名な曲ではないし、これなんだっけ?って思いながらずっと聴いていた。でも中にはノリノリになって喜んでる人もいるし、途中のスキャットようなパートは厚いコーラスも入って大盛り上り。何となく“Sweet 16”のアルバムに入っていた曲のような気がしてあとで調べてみてようやく思い出した。しかしあとで聴いてみて大好きになった。
♪「遠い君の記憶ばかり追いかけて雨の中」

M15 約束の橋
 「もともと89年の「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」のアルバムで作った曲だけど、2~3年後にTVドラマの主題歌に使われたらヒットチャートの1位になった。なんなんだ?シングルヒットというのはピーターパンのティンカーベルのひと振りみたいなものだ。」というよくわからない説明の後で演奏。でもやっぱりこの曲は泣けた。。。。あの時代、この曲に背中を押してもらったという人も多いだろう。会場もこの日一番の盛り上がりへ。
♪「今までの君は間違いじゃない」

M16 悲しきレディオ
 「僕はラジオが大好きだ。中学生や高校生の頃、学校でうまくいかないことやいやなことがあっても自分の部屋でトランジスタラジオから流れてくるビートルズや・・・・(忘れた・・・)を聴いていると元気が出てまた前向きになれた。」という紹介でスタート。
 まさかこの曲がまた聴けるとは思っていなかったのでうれしかった。大学生の頃大好きだった1曲。原曲はシンプルなロックンロールだけど、ライブではいろんなおまけがついて10分を超える大作に。それもほぼ30年前のライブと変わらない構成で昔のようにノリノリに。
 途中でMCが入って、「最近、隣の国の悪口を言ったり、憎しみのスピーチをしたり、そんな話を聞くと悲しくなる」などというメッセージもはさみつつ(サザンの桑田さんもそうだけど、この世代のミュージシャンはビートルズに代表される60年代の“Love and Peace”思想の影響を受けている)、昔のライブでよくやっていた♪愛する気持ちさえ分け合えれば----I love you,you love meというコール&レスポンスをやってくれた!懐かしいし、こういうスピリットがまだ佐野さんの中に息づいていることがうれしい。

 ここで一旦全員ハケてアンコールへ。

 再びステージに姿を現して、アンコール1曲目は
En.1 SOMEDAY
 出た!まあこの曲を聴くために来たという人も多いんだなと感じさせる会場の盛り上がり。自分は世間で評価されるほどこの曲が大好きというわけではないけれど、久しぶりに生で聴いたこの曲にはやっぱり大感動。落涙。。。。。。。。。。
 大学3年生の頃、大阪・梅田の御堂筋あたりを思い出す。
♪「素敵なことは素敵だと無邪気に笑える心が好きさ」

En.2 アンジェリーナ
 出た!80年代当時の日本には見られなかったスタイリッシュさとスピード感で時代に大きなインパクトを与えた佐野元春のデビュー曲。当時の日本のロックはまだ矢沢永吉とかだった。
 当時とはバンド構成が違い、ブラスセクションがないので、どう演奏するんだろうと思っていたけど、ギターとキーボードをうまく組み合わせてそん色ないアレンジで圧巻の演奏。歌詞はあまりにも若過ぎて今聴くとこっぱずかしいところもあるけどこの疾走感は他ではなかなか味わえない。

このあと少し思案げな佐野さんの表情の横で客を煽るギターのメンバー。あとから思ったけどこれアンコールのつもりだったのか?言われなくても盛り上がる会場。
En.3 So Young
 この曲も若かったから作れたし聴けたけど・・・と思ってたぶん演奏しないだろうと思っていた曲。50年代のバディ・ホリーあたりの曲を現代風にノリをよくした感じの軽快なロックンロール。シンプルで短くてかっこよくて、これもあの頃の佐野さんらしい。聴けると思っていなかっただけに弾けた!

 これが約20年ぶりに参加した佐野元春ライブ。時間にして約2時間10分。曲数は19曲。3時間半もやるサザンほどではないけど、58歳というあの年齢としては体力的にも立派といえる。声の出方とか張りは多少の衰えを感じさせる部分はあったけど、あの頃と変わらない情熱や真摯な姿勢を目と耳に焼き付けることができて満足。
 来年のアルバムと、おそらくその後にまた行われるライブ。今から楽しみだ。しばらくご無沙汰してしまったけど、あらためてこの人とはこれからも曲やライブを通じてつきあっていきたい。