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【ネタバレ注意!】佐野元春35周年ライブ@福岡市民会館 2016.01.31(2)

 
 
次の曲のイントロは聴き覚えのないややハードなフレーズ。歌い出してから聴いたことはある。♪ヤングフォーエバー。この曲は2000年代かな?どうやら本気で80年代から2010年代まで、佐野さんのキャリアを網羅するだけのバリエーション、ボリュームでこのライブを歌いつくそうとしているらしい。みんなが知ってる80年代の曲だけでもなく、最近の曲だけでもなく、「俺がやってきたことを全部聞いてくれ」と言わんばかり。

またMCが入る。現在のバンド、コヨーテバンドについて。「次の曲はコヨーテバンドで初めてレコーディングした曲」M22♪星の下 路の上。現在のコヨーテバンドのまさに原点となる要素が詰まった佳曲。無駄のないソリッドなサウンド。昔にくらべてずいぶんわかりやすい、でも心をつかむような言葉。
M23、再びコヨーテバンドの曲、世界は慈悲に満ちている。曲が紹介されると会場の女性ファンの誰かが「キャーーーッ!!」という悲鳴のような歓声を上げる。モータウンのリズムにシャープなギターのカッティング。ある意味、今の佐野元春の音楽的なバックボーンがあってこその、ほかの誰にもなしえない曲かも? 

M24、長いオルガンのイントロ。「みんなこれまでやってきたことをしっかり自分で認めていいんだよ」みたいな趣旨のMCがあった。これは♪約束の橋だ!ここからついにクライマックスか?と思ったら、♪ジャスミンガール!これも大好きな曲だけどたぶんライブでは初めて。オリジナルよりもキーを下げて歌っていたように思う。いったい何曲やるつもりなんだろう?30曲?もしかして35周年だから35曲?まさかね!? そしてこのあと、何の前触れもなく始まったのが、M25♪ヤング・ブラッズのイントロ!前回のライブではやっていなかった(別会場ではやったという情報もあり)ので、今回ぜひ聞きたかった1曲。やはり今回のようなブラスセクションを配した編成のバンドではこの曲ははずせない。自分にとっては昔も今も大切な曲。久しぶりのライブだからか、すごく新鮮に聴けた。ちょっと泣けた。M26♪約束の橋M27♪SOME DAY。この3曲の連ちゃんはやばいでしょう。♪約束の橋は1コーラス目と2コーラス目の間に間奏が入ったりしてちょっと長いバージョン。明らかにクライマックスを意識した構成。またファンも熱狂的に応える。このあたりの、佐野元春の最も濃い世界に対しては客席の反応がホントに熱狂と言っていいくらいにすごい。もちろん自分ももう我を忘れそうなほど。風邪をひいて体調が良くないこととか、もう関係なしといったところ。たぶんこんなライブは今回のようなアニバーサリーライブでなければ体験できないのだろう。
M27♪SOME DAYの余韻覚めやらぬ中、M28♪ロックンロールナイトが始まる。個人的には、80年代当時ブルーススプリングスティーンを意識していた佐野さんのこういう大仰な構成の曲はあまり好きではなかった、もっとシンプルなロックンロールとかポップソングが佐野さんの真骨頂だと思っていた。でも久しぶりに聴いたこの曲は十分楽しめたし、30年以上たって、この曲を少し見直すきっかけにもなった。「がれきの中のゴールデンリング」
♪ロックンロールナイトの穏やかなピアノのエンディングから暗転のまま、一転してM29ニューエイジのテンポのいいイントロ。これも盛り上がった。昔の若いころのライブでも、これほどにノリのいい曲を続けたことはなかったんじゃないか?なんかそういうのはサザンのイメージがあるけど、佐野さんもこの歳になって、昔以上にパワフルになっているイメージ。
そしていよいよ30曲目。この辺になると、明らかに35周年を意識して35曲やろうとしていると確信。「僕は、この曲で、始まった。」というMCに続いて、客席の熱狂的な歓声!そして同行の坐こってぃさんによるとエディ・コクラン風のイントロで始まる、出ましたM30♪アンジェリーナ!これも前回ライブに行ったときにはブラスがなかったので、アンジェリーナらしいアンジェリーナは今回が久しぶり。まあ盛り上がる盛り上がる!「今夜も愛をさがして」
そしてバンドメンバーが全員前へ出てきて挨拶をしてハケていきアンコール。わりと短い休憩で再び登場!
そして佐野さんのブルースハープで始まるアンコール1曲目♪スターダストキッズ!これは前回ライブでも聴いていたけど、やっぱりこの辺の、アルバム「SOMEDAY」「NO DAMAGE」あたりが一番ファンとしても思い入れが濃いのではなかろうか?雰囲気は最高潮。イントロはブルースハープでやったけど、あのメロディはイントロ以外はブラスセクションで演奏。シングルバージョンとアルバムバージョン両方が楽しめる。En.2曲目はダウンタウンボーイ!これはまた泣きそうになった。まさかこの曲が聴けるとは!しかもスターダストキッズとの連ちゃんで、なんか大学時代に戻ったような気分になった。大学時代のあの狭い下宿の部屋を思い出した。「明日からのこともわからないまま知りたくないまま」
2曲演奏してまたステージから去っていくメンバー。そういえば昔からアンコールは2回だったかな?
今度は1回目よりも短いインターバルで登場。でも現れたのは佐野さんとベースだったかな?のメンバーだけ。佐野さんがキーボードの前に座って始まったイントロは、En.3♪グッドバイからはじめよう!前のアンコール、もっといえば本編の終盤から80年代前半の曲を集中させていて、思わず胸をしめつけられる。続いて演奏されたのはなじみのない曲。後から考えたら一応音源としては持ってるけどほとんど聞いたことがない。シンプルでストレートで激しいロックンロール。歌詞もよく聞き取れなかったけど、「~~~準備はできてるかい?」という歌詞で後で調べて♪国のための準備だとわかった。♪グッドバイ~のあとなので雰囲気も一転してよかった。またなじみがないけどすぐに終わる短い曲だったので、あまり気にならず。
さてここまで34曲。アンコールに入ってすでに4曲。おそらくは次で最後の曲。ここでまたMCが入って、昔から変わらないトーク。「僕は昔からテレビよりラジオが好きだ。小学生の頃から学校でいやなことがあったり親にしかられたりしても、ベッドに入ってトランジスタ・ラジオをつけると、ビートルズビーチボーイズ・・・・などのロックンロールが流れてきて、いやなことを忘れさせてくれたんだ。」この話何十年続けてるんだろうと思いながら、僕たちの年代ならほとんどみんな同じような経験をしてるので激しく共感できる話。そして、この曲を最後に持ってきますか?という感じの♪悲しきレイディオ。おととしのライブで久しぶりに聴いて、すっかり改めてはまってしまったというか、変わらぬ魅力は、これぞクラシック・ロック!もちろん「愛する気持ちさえ分け合えれば・・・」というコール&レスポンスありの超ロングバージョン。初心者向けの解説もあり(^-^; 今はライブバージョンのCDもあるので、ほぼそのままの雰囲気をいつでも聴くことができる。「おしゃべりなDJもういいから!」
終わってみれば、35曲、約3時間20分という質・量ともにすごいライブだった。20曲くらいで終わるだろうとタカをくくっていて、佐野さんごめんなさい。選曲も構成も、80年代から90年代2000年代そして現在までしっかりミュージシャン佐野元春の歩みを感じさせてくれる、またそれにシンクロする自分の歩み(途切れてるところも、それはそれで)も意識させてくれる素晴らしいライブだった。
サザンのようにずっと売れていたわけではなくて、恥ずかしいけど自分自身ここ20年くらいは佐野さんのことは忘れていた時期もあったけど、あらためて、昔の親友と久しぶりに出会って、彼が重ねてきた努力、変わったこと、変わらないこと、新しく得たチカラや仲間との絆とかを感じさせてもらったという気がする。何よりも彼が今作っている曲、演奏している曲が素晴らしいことに今また気づかせてもらった。これからも30数年来の友人として、佐野さんとつきあっていきたいと思う。