明日晴れるかな by 桑田佳祐

f:id:naminorijizzy:20160418192545j:plain2007年5月発売。c/w こんな僕でよかったら 男達の挽歌(エレジー) こんな僕でよかったら(Trumpet & Jazz Piano Trio:CM Version)

2007年はこの曲を含め「風の歌を聴かせて」「ダーリン」と3曲のシングルをリリースし、いずれも超名曲ぞろいとあって、この時期の桑田さんの充実ぶりを感じさせる。

中でもこの曲は(データを持っているわけではないが)桑田さんソロ名義の曲の中でももしかしてベスト3に入るくらいの人気曲なのではないか。2012年のライブツアーではアンコールのラストで、アカペラでスタートするという驚きのアレンジで最期を飾ったが、他にもライブでは常に重要なパートで使用されている。また「桑田佳祐やさしい夜遊び」のエンディングテーマとしてもおなじみ。

メロディは雄大で、桑田さんはファルセットにいったりきたりという難しいヴォーカル領域に挑戦し歌い手としてのキャパシティを広げようとしているようにも思える。ラストのサビからエンディングへ向かう展開は特に感動的で子供たちのコーラスなどはやりすぎの感じがあるくらいだけど、ここはおそらくライブで客席に歌わせようという意図なのだろうと解釈し、ライブを想像しながら楽しもう。

2000年代を迎えてから、桑田さんが書く詩には人を勇気づけたり、生命力を感じさせたりするものが増えてきた。この曲は中でもそっと隣に寄り添うようなやさしさを湛えつつ、聴くものに勇気や希望を与える歌詞が最高。

明日晴れるかな」というシンプルなタイトルにも、明日への期待や希望を感じさせる前向きなエネルギーがこめられている。

 

いま、苦しんでおられる九州の被災者の方々に敬意をこめつつこの曲を贈りたいと思う。