タイニイ・バブルス/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

タイニイ・バブルス/3rd アルバム

1980.3.21 桑田佳祐24歳

テレビ出演を断ってレコーディングに集中して、まさに満を持して発表された3枚目のアルバム。自分にとってはサザン原体験というか、ここからリアルタイムのサザン体験が始まった。17歳高校3年の夏だった。友人Cからほぼ無理やりに聴かされたこのアルバムと当時のシングル「いなせなロコモーション」、そして「ジャパンジャム」のライブ音源。

その前に、確か当時評論家の渋谷陽一氏がDJを務める番組(確か『サウンドストリート』とかいうタイトル)がNHK-FMであって、ほぼ洋楽のニューアルバムを紹介する番組なのに珍しくこのアルバムが紹介され、渋谷氏が絶賛していたのを覚えている。中でもベタ褒めしていたのが確か「私はピアノ」だった。

もうコミックバンドとか一時の偏った評価には揺るがない、堂々たるロックバンドとしてのサザンがいる。本人たちもこのあたりからプロとしてやっていく気になったというが、まさに粒ぞろいの楽曲群は「勝手にシンドバッド」のイメージからも脱却したことを証明している。ライブでも、『熱い胸さわぎ』の頃は1回のライブで何度も「シンドバッド」を演奏していたというが、このあたりからはライブでもしっかりと手ごたえが感じられるようになったのではないか?

楽曲も、ロック、歌謡曲、ブルース、ビッグバンド、リズム&ブルース、スワンプとさらにバラエティに富み、まさに凄まじいスピードで成長していくサザンを聴くことができる。

サザン初のオリコンアルバムチャート1位だそうな。