いなせなロコモーション/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

いなせなロコモーション

8thシングル 1980.5.21

『Five Rock Show』プロジェクト3枚目のシングル。サザンのデビュー当初の数年間、まさにその後のサザンの将来を決定づけるような重要な曲が何曲も生まれてくるけど、この曲もそんな曲のひとつ。自分はこの曲でサザンのファンになったと言っていい。当時こんなにノリのいいロックンロールをこんなにポップなテイストでやってるゴキゲンなバンドは他にいなかったし、そんな魅力がビートルズとかぶって大好きになった。

インパクトの強いイントロ、日本のポール・マッカートニーと呼びたくなるような美しいメロディ。そして何よりグイグイとひっぱっていくようなドライブ感。構成・アレンジもアコースティックになったり大サビがあったりと多彩でこれでもかというほどにたたみかけてくる。当時は個人的には「勝手にシンドバッド」はあまり好きじゃなくて、この曲みたいなのがサザンの最大の魅力だと感じていた。

歌詞もサウンドも50年代から60年代のオールディーズを意識したもので、コニーフランシス、ドリスディ、ビーチボーイズシュープリームスといったアーティストの名前が歌いこまれている。

こんな素晴らしい曲なので、当時のライブでは後半の一番盛り上がるところで投入されていた。

ただ、こんなに魅力いっぱいの曲なのに、『Five Rock Show』プロジェクトの曲はみなそうだけどセールス的にはこれも不発。でも音楽ファンの間でのサザンの評価は高まる一方だったと思う。