遥かなる時間(とき)/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

遥かなる時間(とき)

シングル「素敵なバーディ(No No Birdy)」カップリング

松田弘さんの作詞・作曲・ボーカル作品

ヒロシさんのボーカルはここまでで言うと「松田の子守唄」「翔~鼓動のプレゼント」があるがいずれも作詞作曲は桑田さんで、ヒロシさん自身の作詞作曲はサザンでは初めてとなる。洗練されたAORといった感じで、ボーカルもやっぱりうまい。

思うに、前年の「世に万葉の花が咲くなり」までの約4~5年間は小林武史という強烈なクリエイターと共に、かなり頼りながら作品を生み出し続けてきたが、その良さも評価しつつそこから脱却してあらためてバンドとしての一体感を取り戻そうとしていたのがこの時期ではなかったか。桑田さんは小林武史氏について「あいつは(頼りすぎると)危険な奴だとわかった」と評している。バンドとして一人一人の個性を引き出そうとしたのがこの時期の「9月の風」そしてこの曲につながったのでは?以上筆者推測。