すべての歌に懺悔しな!/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

09. すべての歌に懺悔しな‼︎

桑田ロックンロールの中でも指折りの痛快でゴキゲンなロックンロール。アレンジはシンプルでギターソロの音色なんかもわざとだと思うがチープ。歌い方もパンクロッカーみたいで、敢えてロックのプリミティブで攻撃的な側面を強調していて、それが強烈な魅力になっている。

個人的にはこのアルバムで1・2を争うほど好きな曲で、発表当時のこの曲のタイトルを冠したライブツアーの本編最後で演奏され、いつ果てるともない♪Oh,Oh,Oh,Oh ~というコーラスとギターのリフレインに歓喜したのが忘れられない。まったく、このリフは桑田さんが考えたものだろうけれど、彼の作ったリフの中でも1・2を争うものではないか?

それにしても桑田さんのこういうノリノリのロックはなぜにこう先鋭化するのだろうか?歌詞は大体自虐も含めたショービジネス界を皮肉ったもの(BIG STAR BLUES やPLASTIC SUPERSTAR)かエロ(ボディスペシャルIIやマンピー)など過激な方向へ向かう。桑田佳祐の「毒」を発散していると言ってもいいかもしれない。

この曲は前者の方だが、凄く残念なのはそれが余計な騒動を巻き起こし、大物シンガーソングライターN氏との確執に発展してしまったこと。

またそれにより、以後この曲がライブでもアルバム等でも一切封印されてしまったこと。もっともっと聞きたい傑作なのに!