PARADISE/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー
PARADISE
1998.07.29 桑田佳祐42歳
42枚目のシングル
アルバム「さくら」の先行シングル。だがあまりにもシリアスな内容でこの曲をシングルにするには桑田さんだけでなくスタッフの皆さんも含めてかなりの決断が必要だったのでは?
ヒップホップ調の曲は「愛の言霊」の続編とも言えるが、他にもいろんな要素を詰め込んだ「愛の言霊」にくらべてこちらはかなりゴリゴリのヒップホップに振っている。個人的にはノリがよくて大好きな曲。
だが問題は歌詞で、核兵器のことを歌っている。愛と平和を希求する桑田さんとしてはもちろん核兵器とか反対のスタンスだが、こうした政治的なメッセージ性の強い曲をシングルにするのはいろんなリスクもあると思うのだが。
間奏の「空が真っ赤に燃えている」から始まるラップのような詩は、この曲の性格をより明確にしているが、これは歌詞カードの最後にあるように「inspired by 北原白秋」だそうだ。
しかしこの曲を発表したのが90年代ではなくて2000年代だったら、もっと激しい議論を呼ぶ曲になっていたのではないか?
ライブでは99年の「セオーノ・ルーハ・ナ・キテス~素敵な春の逢瀬」で「愛の言霊」と続けて(こちらの方があと)演奏され、メチャ感動したのを覚えている。