ROCK AND ROLL HERO/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

ROCK AND ROLL HERO

2002.09.26 ソロ3枚目のアルバム

桑田さんの音楽づくりにはいつもパートナーがいる。サザンの時はもちろんサザンのメンバー。ソロ1作目の「KEISUKE KUWATA」では小林武史氏。ソロ2作目の「孤独の太陽」では小倉博和氏。そしてこのソロ3作目では、クレジットにはほとんどの曲で、「編曲/桑田佳祐&THE BALDING COMPANY」と表記されている。THE BALDING COMPANYとはスキンヘッドの斎藤誠氏を中心とする、このアルバムのために集められたユニットで「ギター:斎藤誠 キーボード:片山敦夫 ドラム:河村智康 キーボード:片山敦夫 ベース:角田俊介」というメンバー。実はこのバンドの骨格は今でも変わっていなくて、その後も桑田さんのソロアルバムやツアー、サザンのサポートメンバーとして今も一緒にやっている。このユニットの中心人物はここでは斎藤誠氏だろう。

タイトルの通り骨太のロックが全編にわたって展開される。

このアルバム発売と合わせて行われた全国ドームツアー「けいすけさん、色々と大変ねぇ。」に参戦したが、そのあまりの素晴らしさに、「もうサザンは必要ないんじゃないか?」と不謹慎ながらちょっと感じてしまったほど。それほどこのバンドの音楽は素晴らしくて、この辺りからはサザンと桑田さんソロ活動、もうどっちがメインかわからなくなるほどだ。新しいバンドのエネルギーみたいなものがあふれていて、サザンではこのアルバムはできなかっただろう。当たり前だけど。このアルバムと3年後のサザンの「キラーストリート」は対照的だと思う。新しいエネルギーと、残りわずかなエネルギーを懸命に集めて巨大なものに仕上げた、という意味で。