キラーストリート/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

キラーストリート
2005.10.05  14枚目のアルバム
2枚組30曲というボリューム。前作「さくら」から7年ぶりという時間。などなど、諸々話題満載の作品。個人的には、タイトルやジャケットデザインから、ビートルズの「アビイロード」とどうしても重ねてしまい、「アビイロード」がそうであったように、恐らくはこれがサザン最後のレコーディングになるのではないか?と考えていた。サザン自体の活動に新しさがなくなってきたこともあるし、反面桑田さんのソロ活動の充実振りから、「もうサザンである必要があるのか?」という問いが常に僕の中にあったように感じる。実際聴いてみても、「さくら」のように新しいことに挑戦する姿勢はあまり見られず、今の持ちネタて勝負!という感じ。新鮮味はさほど感じられない。その代わりボリュームではサザン史上最高、もしや日本最高。とにかく今持ってるものをすべて出し切ろうとするある種の悲壮感まで漂う。今考えると、「アビイ・ロード」と「ホワイトアルバム」を合わせたようなアルバム?
時間もかかった。2003年のシングル「涙の海で抱かれたい」から2年分のシングルが収められている。
このアルバムはこれまで以上に幅広い音楽性を持つ曲で構成され、サザンを代表する名曲も生まれた。なにせ曲数が膨大なので多少雑な曲もあるけど、それらも含めて時間がかかった分もうサザンを浴びるように楽しむことができた。またそれほど背伸びをしていない分非常にサザンらしいアルバムで、同年のライブツアー「みんなが好きです」も素晴らしかった。「もうサザンは終わるんじゃないか?」という僕の危惧はどうやら杞憂に終わりそうだと思った。でもその危惧は3年後に現実になった。

確か桑田さんは当時のインタビューかラジオ番組で、「キラーストリートでいったんサザンに区切りをつけてまたソロへ、と思ったけど、アルバムとその後のツアーがうまくいったのでまだいけるんじゃないかと悪ノリして1年余分にやってしまった。※筆者注)翌2006年の「THE夢人島フェス」のことか」と語っていた。

ちなみにこの時期毛ガニは持病の腰痛の悪化のため、このアルバムのレコーディングにもツアーにも参加していない。代わりにサポートメンバーとして三沢またろう氏が参加している。