それ行けベイビー!!/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

14. それ行けベイビー!!

初めて聴いたのは2010年大晦日の紅白だっただろうか?桑田さんの癌からの復帰後初テレビ出演となったこの番組でこの曲と「本当は怖い愛とロマンス」が演奏された。

エレクトリックギター1本の弾き語りという究極のシンプルなアレンジ。だけに強烈なインパクトを残す。このアルバムの中でも最も重要な曲のひとつだろう。この曲は実は発病前に創られていたというが、「命をありがとネ」「終わりなき旅の道中は予期せぬことばかり」とか、まるで自分の運命を予見していたかのような歌詞に驚く。また闘病を経て復活を果たしたからこそのこの曲の説得力、重みはすごい。自分も含めて多くの人を和ませ、勇気づけ、追い風になるような名曲だと思う。

この曲を創るきっかけは実は2007年のソロライブの最終日、年越しの横浜アリーナで、アンコールの最後にたった一人でステージに立ち、エレクトリックギター1本で「希望の轍」を歌った(名演!)ことだそうな。この時は「2008年はサザンをやるよ!」という宣言に聴こえてずいぶんうれしかったのをよく覚えている。※観たのは生ではなくてWOWOWの映像だけど。

2011年頃にふとネットで読んだ評論で「桑田佳祐は『それ行けベイビー!!』と『明日へのマーチ』でいったい何人を自殺から救っただろう?」というのがあったが、確かにこの曲に救われたという人は多いだろう。

シンプルな構成だけど、ほんとにシンプルに適当に録ったというよりは、わざとマイクにものがぶつかるノイズを入れてみたり、シンプルに聞こえる工夫を実は綿密にしているところが桑田さんらしい。

ライブでは2011年の「みんなで元気になろうぜの会」ではオープニングで演奏され、桑田さんの復活を強く印象づけた!