栄光の男/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

栄光の男

シングル「ピースとハイライト」カップリング

こうして見るとこのシングルはなんともったいないというか、シングルのメインになりそうな、というか今のサザンを代表する曲ばかり3曲も入っていて、超強力。

この曲は個人的には好きな曲というレベルを超えた、すごく大事な曲となっている。たぶんそういう人は多いのではないだろうか?それほど、曲がどうの歌詞がどうのアレンジがどうのという感想はどうでもいいような、心の奥底にしみわたるような曲。

でも一応書いておくと、最初聴いた時イントロのちょっとスペーシーな感じはコールドプレイみたいなコンテンポラリーなロックを感じさせたが、歌が始まってみるとバンドサウンドの魅力たっぷりで、これが今のサザンだ!という感じ。

長嶋茂雄さんの引退試合を、青学時代に喫茶店のテレビで観ていたという桑田さんの経験から始まる歌詞は、我々中年おやじの悲哀を見事に描き出していて涙が出そうなほど共感できる。また「蛍」でも書いたがこの曲でも「命」というワードが出てくる。生きることの意味や価値を桑田さん自身あらためて考えているのかもしれない。

桑田さんが投げた野球のボールをいろんな人がつないでいくMVも印象的。これに出てくる都会的な街並みは横浜のみなとみらい地区ではないか?と弟は言った。

ライブでは2013年「灼熱のマンピー!」以来常に演奏される定番曲となった。心にしみわたる曲だけに、終盤の盛り上がり前のバラードの代わりに演奏されることもあり、その重要性はますます増している。

おそらくこれからもずっと多くの人の心の中で鳴り続ける曲となるだろう。