東京VICTORY/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

東京VICTORY

2014.09,05  桑田佳祐58歳

55枚目のシングル

いちいちここで言うのも野暮ったいほどの名曲。どう考えても今のサザンを象徴する名曲。2011年ごろから桑田さんの作る曲は命を歌い、みんなに寄り添い勇気づける曲が多くなってきた。この曲はそんな桑田さんの思いがいっぱいつまっている。この1年前に2020年のオリンピック開催地が東京に決まり、この2014年に神宮外苑の国立競技場の建て替えが始まった。桑田さんは慣れ親しんだエリアの風景が変わっていくことへの思いもこの曲に込めたという話をしていた。

そんな背景からも、この曲は東京というビッグシティ、日本、そこで暮らす我々、アスリート、被災者など人々への思い、平和への希求、この時代を象徴するいろんなものが詰まっている。曲やサウンドも桑田さんだから創れる、サザンらしいポップで、真正面から勝負している。みんなで一緒に走っているような疾走感が最高。

桑田さんはよくミュージシャンとしての原坊について語る際に「彼女がサビにつけてくれるカウンターメロディでボーカルがよく映えるんだ」という話をするが、その一例として挙げるのがこの曲と「ミス・ブランニュー・デイ」。

発表当時にはCMタイアップでかなりテレビでも露出していたが、2018年にはTBSの大型スポーツ中継番組のテーマとなって再び大量露出していた。サザンファンとしてはテレビをつけるたびにこの曲のサビが聴こえてきて楽しくて仕方がない。

ライブでももちろん超重要曲で常に非常に重要なポイントで演奏される。また♪Oh~ohというコーラスでは桑田さんの歌うメロディを客席がおいかけていくようなコール&レスポンス(?)や終盤の♪HEY, HEY!というシャウトなど会場の一体感も極限まで高まる構成で、もうライブでは絶対欠かせないというくらい。

2020年にはこの曲が東京オリンピックのテーマになればいいのに!

ちなみに、豆知識だけど、このシングルバージョンでは最初のボーカルの前に「フッ」と息を吸う音が入っているが、「葡萄」に収録されたアルバムバージョンにはそれがない。