LIVE REPORT【ネタばれ注意!】サザンオールスターズ LIVE TOUR 2019“キミは見てくれが悪いんだから、アホ丸出しでマイクを握ってろ!!だと!?ふざけるな!!”広島(2)

ここでなぜか(最近こういうパターン多いけど)、ちょっと休憩的なコーナー。

忘れられたBIG WAVE」が流れ始めるがこれはライブではなくどうやらレコーディング音源が流れているだけ。そしてダンサー数名がハワイアンダンスを踊り始める。さらになぜかその中に関口ムクちゃん一人が混じり、ほかのメンバーは全員ステージから居なくなってしまった。ここは短い休憩コーナーなのか?結局1曲分踊っていたと思う。

でも確か、ここでまた例の「黒いスーツの怪人」がうろうろしていたような。この時点はさっぱりわからないけど、あとでこのしかけの意味がわかる。このあたりは2017年の「がらくた」ツアーを思い出す。

 

そして、この曲と踊りが終わると、サザンのデビューの頃の映像が流れて、曲はなんと「当たって砕けろ」!このライブは本当に「なんと!」という選曲の多いこと!

 

M21. 当たって砕けろ

M22. 東京シャッフル

M23. D.J.コービーの伝説

M24. わすれじのレイドバック

M25. 思い過ごしも恋のうち

一気に時計の針をガーッと巻き戻して1970年代〜80年代初めへ!「当たって砕けろ」なんていつぞやの年越しライブで聴いた気がするけど、ほとんどライブではやらない曲。でもこの前のパートまで重い雰囲気の曲が多かっただけに、一気にライブの雰囲気が明るく!個人的にはレアな曲としては同じデビューアルバムなら「恋はお熱く」が聴きたかったけど。

東京シャッフル」も発表当時1983年のライブと確か翌年のライブではやった記憶があるが、それ以来ではないか?「当たって砕けろ」で一気に明るくなって、そのままのムードでライブはノリノリに!

D.J.コービー」が始まる前は、小林克也さんが映像に出てきて「ベストヒットU.S.A.」さながらのD.J.ぶりを発揮!ここでこの曲とわからない自分もアホだけど、この曲のイントロが始まって狂喜乱舞!この曲も何年ぶり?というくらい久しぶり。少なくとも個人的には82年の「ふらちなサザンの青年社会学」ツアー以来か?♪Let's Play Some Music・・・・・という間奏のフレーズを声を張り上げて歌えるのがうれしいい!最後の♪会えないこの夜はLonely lonely night というフレーズまでしっかり歌っていた。

実はこのあたり、流れの記憶があまりないのだけれど、「わすれじのレイドバック」は今回「もしかして聴けるかも」と期待していた1曲。「夜遊び」でかかっていたので期待してしまった。1980年の曲で、僕がサザンを聴き始めたまさにちょうどその頃の曲だけど、シングルで発売されたのにさっぱりヒットしなかったし、決して有名な曲ではないけど、自分にとっては非常に重要な曲のひとつで隠れた名曲だとずっと思っていた。まさか40年近くたってここで聴けるとは、期待しつつも正直思っていなかったので、ここは落涙。最後の♪ラララ~というフレーズは両手を大きくウェーブさせながら、感動なのかリラックスなのか、よくわからないけどとにかく身をゆだねるのみ。25周年ライブのDVDで観たように、歌詞を少し変えて「Everything is alright now・・・」という部分を「ひとりひとりを抱きしめたいのさ」と変えて歌っていた。今回のライブで最も印象に残った曲のひとつ。また今後いつ聴けるかわからないので、それを考えるとまた涙が出そう。

そして、「思い過ごしも恋のうち」。イントロでは、シングルのジャケットみたいに、紙テープが舞う演出。でもほんのちょっとで、なんだかこのチープ感がデビュー当時を彷彿させるような(^-^; この曲は事前のリリースにもあったので驚きはしなかったけど、もし知らなかったならめちゃびっくりしただろうなぁ。

M26. はっぴいえんど

ここまで40年~35年くらい前の曲が続いたけど、ここでまた最新(といっても4年前だけど)の「葡萄」の中の人気曲。この曲も新たなライブ定番曲になりつつある。個人的に最近特に好きな曲で、ここも去年の40周年キックオフライブ「ちょっとエッチなラララのおじさん」2015年の「おいしい葡萄の旅」を思い出しながら、また大切な仲間のことを考えながら聴いていた。

M27. シュラバ★ラ★バンバ

M28. マチルダBABY

M29. ミス・ブランニュー・デイ Miss Brand-new Day

M30. イエローマン

M31. マンピーのG☆スポット

正直、このあたりはもうわけがわからないのだけれど、このあたりの曲順ははっきりと覚えている。

シュラバ★ラ★バンバ」!これもライブではあまり聴けない曲。最近では2008年の「大感謝祭」@日産スタジアム。これもビッグサプライズ!個人的には1992年の「歌う日本シリーズ」が忘れられない。これほどノレる曲もあまりないと思うんだけど、もっとライブでやってほしい!でもこの曲が聴けて幸せ!この曲でノレるのが超幸せ!

そして間髪いれず始まったのは「チルダBABY」!炎の演出もいつも通りで、アリーナ真ん中のこちらの席まで熱が伝わってくる。前回のツアー「おいしい葡萄の旅」でも演奏された超定番曲だけど、この曲も1983年「綺麗」収録なので、なんだかんだもう36 

経つんだなぁ。

続く「ミス・ブランニュー・デイ」!この2曲の連続はよくあるパターンで、もうサザンの必勝パターン。今回のライブは中盤めちゃレアな曲が多かっただけに、ここへきての定番曲はほっとすると同時にむしろ新鮮!ああサザンのライブだ!という感じ。会場の反応も、中盤はちょっと・・・・もあったけど、このあたりへくるともうお約束的なノリでいつもの大爆発。

イエローマン」もライブでめちゃはじける曲。このライブで時々出てきた「黒いスーツの怪人」がここでも出てきて、あれはこの曲のための前振りだったんだ!」とようやく気付く。この演出は2016年桑田さんソロライブの「ヨシ子さん」に通じる感じがある。この曲は2005年の「みんなが好きです」ツアー以来かな?1999年の発売当初は売れなかったけど、ライブでの盛り上がりはサザンの曲の中でも有数。堂々と主役をはれる曲だと思う。

そして、イントロの♪ドン ドン ドンというベースの音ですぐにわかる。出た!「マンピー!」このインパクトの強すぎる曲は昨年の「ちょっとエッチなラララのおじさん」では演奏されなかったので、それだけでもなんか懐かしい気がする。今回のマンピーヅラはまた秀逸!「マイクを握ってろ!」ツアーにちなんで、ヅラのてっぺんで手でマイクを握っている!これが男のイチモツを握っているように見えるから笑える。またその両脇には丸いタマが二つ。お察しください。

まだまだ名残惜しいのだけれど、ここでやっぱりアンコールへ。

でもそれほど間を置かずに全メンバー再登場!

encore 1. I AM YOUR SINGER

encore 2. 栄光の男

encore 3. LOVE AFFAIR~秘密のデート

encore 4. ロックンロールスーパーマン

encore 5. 旅姿六人衆

アンコール1曲めはまた泣ける!「I AM YOUR SINGER」はあの、無期限活動停止を発表して行われた2008年の「大感謝祭」のために作られたような曲。当時桑田さんは「解散は絶対にしない」と言ってたけど、自分はもうサザンが観られる・聴けるのはこれが最後だと思っていたので、すごく思い入れのあるライブ。それだけに、うれしいけど再び復活したサザンはもうこの曲を演奏することはないのではないかと思っていた。でもこの曲は当時のいろんな注釈を別にして素晴らしいポップソングだし、名曲だと最近改めて感じる。ここで聴けたのは超サプライズであり超感動。

栄光の男」は2013年の発表以来すべてのライブで演奏されている、今のサザンを代表する名曲であり超定番曲。この曲をここで再び聴けて本当に幸せだ。サザンと一緒に成長してきたファンにとってサザンの成長ぶりを証明するメチャメチャ重要な曲。イントロ~1番まではやはり長嶋茂雄さんの映像が流れていた。そして、もしや?と思ったが、2番ではこの春に現役引退したイチロー選手の映像が流れていた。そして3番の「満月が都会の・・・」では横浜の「みなとみらい地区(だと僕の弟は言った)」の満月の映像が。「恋人に出逢えたら陽の当たる場所へ出かけよう 命預けるように可愛いあの娘とネンネしな」

そして、去年の「ちょっとエッチなラララのおじさん」でもそうだったけど、ここで港の汽笛のSEが流れる。そう、桑田さんのソロライブなら「ダーリン」だけど、サザンならこの曲「LOVE AFFAIR~秘密のデート」!アンコールも3曲目。残り少ないのはわかっているし、考えてみればまだ聴きたい曲はいっぱいある・・・でもこの曲のリズム、メロディにとにかく身をゆだねる。前半の意表をつく選曲に比べて後半は胸を締め付けるような定番曲が続き、「ああサザンのライブだ!」と心からの幸せを感じる。とにかくメロディといいアレンジといい、せつない歌詞といい、奇跡と言っていいほどの完璧な曲。

ここで、斎藤まこっちゃんがギターソロを弾き始める。チャックベリーみたい。どうやらこれは・・・途中でタイガーと小田原オディのコーラスが入る・・・あ、これは♪Rock and Roll Musicだ!ということはRock and Rollつながりで・・・やっぱり「ロックンロールスーパーマン」だった!2005年の「みんなが好きです」ツアー以来すべてのライブで演奏されている超重要曲。♪ねえお日様どうかLet it shine のサビで大きく両手をウェーブさせる動作は会場の一体感が最高潮になる瞬間。いつも映像も凝っていて、サイケな感じでこの曲のイメージにピッタリだけど、今回はちょっとブラウン系の色調で抑えめだけど、やっぱりPOPでサイケでこの曲にピッタリ。最高に元気になれる曲。

アンコールもこれで4曲。長かった至福のライブもいよいよ終わりか。短いMCのあと驚きのピアノのイントロ。最後の最後でまた超サプライズ。「旅姿六人衆」。20周年の「渚園ライブ」でもこの曲がラストだったけど、サザンが「六人衆」でなくなってから、もうこの曲は演奏しないのかと思っていた。考えてみれば40周年というシチュエーションにもピッタリの曲。

でも、CD~レコードでも「ごめん、俺が悪かった」という桑田さんのセリフが入ってけど、ここでも、いったんイントロが始まってから、「ごめん、もう一回やらせてくれる?」とまさかのやり直し!これは偶然なのか?レコードの再現なのか?多分前者かな?

そして歌詞の「Mr.Suizuらが・・・」というところは現在の舞台監督になぞらえて「Mr.なんやさんらが・・・」と言い換えて歌っていた。そして「ヘイジュード」のような大団円。

終わってみれば、3時間30分。36曲という超絶のボリューム。そして感動。終わった直後は、「勝手にシンドバッド」がない「みんなのうた」がない「いとしのエリー」がない、「真夏の果実」がない「TSUNAMI」はやっぱりない。と定番曲が何曲も演奏されていないことに物足りなさを感じたりもしたのが本音。だけど少し時間が経つと、それを上回るほど今回レアな曲がたくさん聴けた喜びや感動に満たされた。