10. サラ・ジェーン
透き通るような美しいメロディを持つ、ジャズ、フュージョンっぽいソウルミュージック。こうしたゆったりしたソウルっぽいバラードは桑田さんの曲には結構多くてしかもいい曲が多い。近年では、「ベガ」(アルバム「MUSICMAN」)、「彼氏になりたくて」(アルバム「葡萄」)。
八木のぶおさんのハーモニカをフィーチャーしているが、これが素晴らしい。八木さんはジャズ界を代表するハーモニカプレイヤーで、さしずめ日本のトゥーツ・シールマンスといったところか。この曲では間奏のハーモニカソロがスティービーワンダーみたいで素晴らしい。
歌詞は孤独な女子高校生が家でするまでのストーリーを描いていて、こういうテーマもこれまでにはなかったもので、歌詞の点でもどんどんキャパシティを拡げている桑田さんの意欲が感じられる。なんとなく、J・D サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて~The Catcher In The Rye」を思い出してしまうのは自分だけか?
あまり注目されない曲のようだけど、これも隠れた名曲のひとつだと思う。