KAMAKURA/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

KAMAKURA

8枚目のアルバム 1985.09.14

1978年のデビューから7年。若きバンドがものすごい勢いで突っ走り、成長と成熟を重ね、一つの高みに到達した記念碑的な作品。サザン初の2枚組アルバム。

圧倒的な物量。先進のテクノロジーを活用した濃厚なアレンジや音作り。実験的な曲作り。当時の桑田さんの心の中など想像するしかないが、とにかく今の時点で出せるものは全部出し尽くしてしまおうという、どこか生き急いでいるような切羽詰まったものさえ感じる。

実際このアルバム発表と同時に行われたスタジアムツアー「カマクラ・トゥ・セネガル・with・トゥレクンダ」以後は約2年半の活動休止に入る。これは一応原坊がレコーディング中に妊娠・出産のため一時離脱するから、という理由だったが、仮にそれがなくても、この強烈なアルバムの後で活動を継続するモチベーションが残っていたかどうか???とにかくこの頃のサザンは攻めていた。

このアルバムまでは年に1枚ずつちゃんとアルバムをリリースしてきたが、ここからはアルバム制作もやや不定期なっていく。いろんな意味で節目となったアルバム。

個々の楽曲の粒でいうと、個人的には前作の「人気者で行こう」の方が上だと思うけど、世間的にはこちらの方がサザンの代表作と言われることが多いのもまあ納得。とにかく物量と攻めてる姿勢がすごい。