世に万葉の花が咲くなり/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

世に万葉の花が咲くなり

1992.09.26 11枚目のアルバム

稲村ジェーン」から2年ぶりのアルバム。桑田佳祐小林武史によって花開いたポップミュージックの傑作にして2人の最後の作品。

とにかく濃密な作品で、1曲1曲やりつくしたという感じがある。桑田さんとしても、小林さんの助けを借りつつ新しいことにどんどん挑戦できたのではないだろうか?そんなチャレンジ精神が感じられる意欲的な作品。すべてがうまくは行ってない、または世の中に受け入れられてはいなかったかもしれないけど、それらのチャレンジがその後の活動に活かされたところもたくさんあるのではないだろうか?ボリュームとしても、全16曲でCDの収録キャパシティいっぱいを使った大作である。

サザンを代表するような名曲、隠れた名曲が何曲もある。本当に粒ぞろいの珠玉の楽曲群。また世の中がどんどん変わっていく時期でもあり、サザンも北京でライブをやったりと活動の幅を拡げていた時期でもある。桑田さんの音作り、歌詞作りに表れる、世の中を見る視点が変わっていってるのがよくわかる。だからか、1曲1曲に以前よりも深みが出てきている。こうした勢いもあり、深みも増して、というところで個人的にはサザンの最高傑作にも挙げたくなる1枚。最高傑作と言いたいアルバムが5枚くらいあるけど・・・(^-^;