DING DONG(僕だけのアイドル)/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

10. DING DONG(僕だけのアイドル)

90年代のこの時代に、60年代のグループサウンズがよみがえったような曲。もう少し言うと当時の日本のGSが影響を受けた60年代ブリティッシュロックを、当時のGSを経由させて現代的なロックとしてよみがえらせたような魅力的な曲。ってわけわからん?

歌詞の世界観はいわゆる「人形偏愛症(=ピグマリオンコンプレックス)」。60年代のGSは当時不良の音楽として見られていたというが、そんな「アブナイ世界観」がこの曲を貫いていて、いわゆる「明るくさわやかな大衆音楽としてのロック」ではないところがこの曲の魅力になっている。

個人的には、間奏のサックスソロが80年代前半に大好きだったシーナ&ロケットの名曲「ピンナップベイビー・ブルース」に雰囲気が激似していて、どうしても思い出してしまう。「ピンナップ~」の方も駅に貼ってあるポスターの女の子に恋をしてしまうという「アブナイ世界観」があり、その辺も共通していて興味深い。

ライブでは発表当時の全国ツアー「歌う日本シリーズ」で演奏されたほかはあまり演奏されていないが、2004年の年越しライブ「暮れのサナカ」で演奏された。