CHRISTMAS TIME FOREVER /サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

16. CHRISTMAS TIME FOREVER 

ア・カペラの前の曲からベルのSEで繋いで切れ目なしに始まる構成が最初からクリスマスムードを高めている。サザンのクリスマスソングというのはさほど多くなくて、この曲は貴重な存在。

ただ、甘くてせつないクリスマスソングという感じではなくて、世を憂いながらも聖なる夜を願い、明日の海へ小舟を漕ぎ出す、というシリアスなメッセージとなっている。当時桑田さんはインタビューで、これからのサザンはこういうメッセージが多くなるかもしれないと話していた。この曲もそうだがこのアルバムは歌詞という点でもつくりかたが大きく変わっているのを感じる。歌詞の作り方というよりも、世の中を見る視点が変わったということか。それでも最後は“Your dreams come true.”で締めるところが桑田さんらしいか。

クリスマスシーズンにもっと注目されていい名曲だと思う。

また、壮大な意欲作であるこのアルバムもこの名曲で終わりを迎え、われわれも心安らかに聴き終えることができる。