10. 孤独の太陽
当時のインタビューで桑田さんはこの曲について「ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンみたいに歌いたかった」という主旨のことを話していたが、この曲のどこがビーチボーイズ、ブライアン・ウィルソンなのかと思った。今でもそう。
このアルバムには絶望的な言葉が並ぶ曲がいくつかある。この曲もそう。「誰も愛せず」「心病んで」「また人を裏切りそうで」「生きるには重すぎる過去」など。これが桑田さんの内面ならあまりにも赤裸々な告白。とても、前の年に「我はエロティカセブン!」と歌っていた人とは思えないが、誰しも生きているうちにはこんな思いをすることもあるだろう。そこに共感できる人も多いだろうし、こんな陰と陽のギャップが桑田さんの音楽の深いところなのだとも感じる。
この曲はライブツアー「すべての歌に懺悔しな‼︎」でアンコールのラストで歌われた。桑田さんも強い思い入れがあったのだろう。