YOUNG LOVE/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

YOUNG LOVE

1996.07.20 12枚目のアルバム

前作「世に万葉の花が咲くなり」から4年ぶりのアルバム。このあたりからアルバム発表の間隔が空くようになってきた。

オリジナルアルバムとしては最大の売上を誇る。この頃はデビューから18年。普通ならここまで続いているだけでも珍しいし、いろんな紆余曲折もあり2度の活動休止やソロ活動も経験し、再集結してあらためてバンドとしての一体感を追及しようとした作品と言われている。87年ごろから93年頃まで続いた小林武史氏によるプロデュースではなく、あらためてサザンのメンバーだけでのプロデュースとなっている。

1曲目のイントロからしてバンドサウンド全開で、我々のような古いファンはほっとするところがある。もちろん時代の流れでコンピューターによる打ち込みがメインの曲もあるが、一発録りなど生音生演奏を重視した曲が多いのは「世に万葉の花が咲くなり」あたりと比べるとすぐわかる。

そんなコンセプトはアルバムのアートワークにも表現されていて久しぶりにメンバー全員がジャケットに登場している。長く心配されていた関口ムクちゃんは久しぶりの復帰。なーんとなくの個人的な感想だが、このジャケットを見ると村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を思い出す。

そんなコンセプトから、また「愛の言霊」みたいな超重要な曲が収録されていることから、サザンの歴史の中でも欠かすことのできない名盤。