03. マイ フェラ レディ
この曲を聴いた時ほど「桑田さんは天才だ!」と思ったことはない。サラッと聴いていると古いジャズスタンダードか何かに聴こえる。歌詞はスペイン語かな?
と思ったらこれが全部日本語で、しかもこうして「レビュー」と称して感想を書くことも恥ずかしくなるほどのエロ表現の羅列また羅列。しかも表現が下品!だけど面白い!歌詞を読みながら聴いてると吹き出しそうになる。「プエルトリコ マルガリータ」かと思ったら「(下の毛)増えるといい子丸刈りだ」って・・・
しかもバックの演奏はしごく真面目にジャズしてるから余計に可笑しい。
以前、桑田さんが著書「ロックの子」だったか、「ディジーガレスピー(ジャズトランぺッター)のふくらんだほっぺた、王貞治の一本足打法、あれをポップだと思わなきゃ。」と語っていたが、「一見奇異に見えることでもオリジナリティを突き詰めることがポップだ」と解釈するなら、この「マイ フェラ レディ」こそ桑田佳祐のポップだ。桑田さんの音楽的なキャパの大きさ、言語感覚、エロオヤジぶり、エンターテインメント精神が合わさってこそ誕生した傑作。
「希望の轍」もいい。「いとしのエリー」もいい。でもこの曲あってのサザンだ。こんな曲が創れるのは日本に、いや世界にも桑田佳祐しかいないのではないか?