2008.08.06 桑田佳祐52歳
53枚目のシングル
この年、ついにサザンの「無期限活動停止」が発表された。そして8月下旬に横浜日産スタジアムで4日間の30周年記念ライブ「真夏の大感謝祭」が開催されることも。
ついにこの時が来たか、と「キラーストリート」の頃からサザンはもうあまり長くないのではと感じていた自分は思った。
この曲はそのライブに向けて制作され、発売されたシングル。正直ちょっと肩透かしというか、やはりここは真正面から向き合った感動的なバラードか逆にいかにもサザンという元気なロックンロールを期待していただけに、この打ち込みサウンド中心のミディアムテンポのポップソングは「あれ?」という感想。日産スタジアムのライブではメンバー全員が(当時腰をいためて長期離脱中だった毛ガニさんまで登場)楽器を離れてステージ前面に出てきてみんなでダンスを披露。これがやりたかったのかな?これがやりたくてこういう曲にしたのか、こういう曲だからこれをやったのか?
もちろんこの曲にはこのライブがしばしの間ファンやメンバーとの別れになることを想定したような歌詞があり、最後のサビの「遠く離れ離れの時も大好きだよと 太陽が沈むのを Let's sing along 止めて」なんてところはライブのシーンを思い出しながら聴くと今でも涙が出そう。
こんな曲だけに、これ以後はライブでは演奏されていない。
しかし当時のいろんな事情や註釈をなしにして聴くと、この曲が普通に胸が締め付けられるような非常に良質な夏のポップソングだということが最近になってわかった。夏になるといつも聴きたくなる曲。
今年2018年は、三ツ矢サイダーのキャンペーンで1978年(勝手にシンドバッド)・1988年(みんなのうた)・1998年(LOVE AFFAIR~秘密のデート)・2008年(I AM YOUR SINGER)と10年ごとのサザンの曲を使ったTVCMが制作され、この曲が取り上げられた。そのCMで観てもこの曲の良さが再認識できる。