蛍/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

シングル「パースとハイライト」カップリング

第二次世界大戦当時に零戦で出陣していった若者たちを描いた映画「永遠の0(ゼロ)」主題歌。

島健さんの管・弦アレンジによる大編成のオーケストラをバックに桑田さんが情感あふれるボーカルを聴かせる、美しい曲。

時代が生んだ悲劇とも言えるテーマだけに「永遠の別れ」みたいなものが曲のテーマにならざるを得ない。桑田さんの視点は、ここでは当時の政治や時代背景には踏み込まず、あくまでも人と人とのつながりだったりそれが断たれる無情だったり、というところに置かれていて、それが聴く者の共感を誘う。悲しい歌なのに、「約束」「恋」「命燃やす」「夢あふる」などの言葉のおかげか、聴き終わると深い悲しみとともにおだやかな希望みたいなものが残る。この曲にも「命」という言葉が出てくるが、2011年以降の桑田さんには「命」がテーマになった曲が多いように思う。

2013年の復活ライブ「灼熱のマンピー!G★スポット解禁!!」はお祭りのようなライブだったが、その最後を締めくくったのがこの曲。自分は神戸と茅ヶ崎の2回聴くことができたのだが、特に茅ヶ崎ではこの日から導入されたリストバンド型のLEDライトによる演出で、スタジアム全体に無数の蛍が舞っているような幻想的で感動的なシーンを体験することができた。またこのライブでは金原千恵子ストリングスの参加で生のストリングスでこの曲を聴くことができた。

平和の祈りを。