彼氏になりたくて/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

08. 彼氏になりたくて

このアルバムに入っているバラードは本当に名曲ばかり。この曲は「涙のキッス」なんかの流れをくむソフトなリズム&ブルース。やさしいメロディ、やさしいリズムがなんとも心地よくて、歌詞も胸を締め付けられるように切ない。桑田さんがそういう意図だったかどうかはわからないが、ソフト&メロウにソウルを歌う故ルーサー・ヴァンドロスが歌っているように聴こえる。

桑田さん/サザンも初期のころからこういう路線をずっとやってきてるけど、これは和製リズム&ブルースのひとつの到達点と言えるほどの曲ではないか?

ちなみにタイトルは、リンゴ・スターが歌う「I Wanna Be Your Man」のもじりだろうか?

別の稿でも書いたが、ライブ「おいしい葡萄の旅」ではバラード3連発の2曲めで歌われた。「平和の鐘が鳴る」から「はっぴいえんど」の間で演奏され、徐々にテンポが上がっていく構成が素晴らしくて、ライブ中盤の素晴らしい印象的なシーンだった。この3曲はそれぞれに良さがあるが、この曲が個人的には1番好きかも。