平和の鐘が鳴る/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

12. 平和の鐘が鳴る

NHK放送90周年イメージソング

桑田さんはこの名曲を、NHKで放送された戦後のアーカイブでモノクロの映像を最新技術でカラーに加工したものを観て、当時の日本人のパワーを感じて創ったという風に話していた。「悲しみの青空」という歌詞はおそらくその映像から来たイメージだろう。広島に原爆が投下されたあの日は青空だったらしい。

命、過ち、傷という言葉が並ぶ1番、希望、笑、夢という言葉が並ぶ2番。サビの「悲しみの青空」「平和の鐘が鳴る」。もうこれで桑田さんの言いたいことがよくわかる。

島健さんのストリングスアレンジ、金原千恵子さんのバイオリンがどことなく懐かしく響く。

ライブツアー「おいしい葡萄の旅」広島公演。この地でこの曲を歌うことは桑田さんも感慨があったようだ。また聴いている我々ももちろん。手拍子などもちろんなく、会場は静まり返っているが、みんな集中して聴いているのがわかる。1番が終わったあと、自然にさめざめと起こる拍手がとても印象的だった。