Soulコブラツイスト~魂の悶絶

「ロックンロールとは悲しみを大声で歌うことだ」と誰かが言った。と桑田さんはよく口にする。その「誰か」とははっきり言わないが、ネット界隈ではジョン・レノンではないか、とかそうやってぼかしながら実は桑田さんが言ってるのではないか、などの説がある。

 この曲はベースには「耐えらないほどの悲しみや苦しみ」を「Soulコブラツイスト~魂の悶絶」と秀逸な表現で表しているけど、“I can't get you out of my mind!”とシャウトするところなど、まさに冒頭の定義に当てはまる。この曲も偉大なるロックンロールだということだろう。

 インパクトのあるイントロはよく昭和歌謡へのオマージュだと言われる。尾崎紀世彦という具体的な名前があがることも。MVが尾崎紀世彦さんが日本レコード大賞を受賞した「第13回」の「輝く!日本年末音楽大賞」だったりするのもそう。でも個人的には尾崎紀世彦さんへのオマージュという点では「ダーリン」の方がよほど近いし、こちらはもっと洋楽の「ソウル」よりだという気がする。また間奏のブルースハープなどはロック全開。

 またこの曲はUNIQLOのCMでも使われたことも話題になったけど、ここで流れるイメージはジーンズというCMの題材や綾瀬はるかさんという出演者のイメージにも引っ張られて、この曲のイメージを驚くほど変えたような気がする。ここで流れるこの曲は同じ曲なのによりさわやかで明るいイメージに聞こえるからびっくり。

 「魂が悶絶」するほど辛い思いをしながら、♪それでも明日はやってくるんだろう~と前を向こうとするのも、コロナ禍でなんとか前に進もうというメッセージのような気がして、そこもロックンロールだな~と思う。

いつかまたカラオケが楽しめるようになったら、こころおきなく大声でこの曲を歌ってみたい。