誰かの風の跡/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

12. 誰かの風の跡

これも心にしみるバラード。この曲は特にこれまでの桑田さんのバラードとちょっと趣が違っていて、ファルセット中心のサビなどは創るのも歌うのもかなり苦心したのではないかとうかがえる。

これ以降、桑田さんもそれまでより積極的にファルセットのボーカルにもチャレンジするようになったように思う。もしかするとボーカリストとしての幅を拡げることになった1曲か?

ライブではあまり演奏されていないが、2010年のソロシングル「本当は怖い愛とロマンス」のカップリングとして、この曲を含む6曲のライブバージョンが収録された。たしか武道館のライブだったかな?アコースティック楽器中心でリラックスした演奏だけど、これがこのアルバムの若干緊張感をもった歌とは反対にゆったりした余裕すら感じさせる素晴らしい名演となっている。