サザンオールスターズ特別ライブ2020 「Keep Smilin'~皆さん、ありがとうございます!!~」レポート

注目のオープニングは“YOU”。ライブではおなじみの曲だけれど、2013年の「灼熱のマンピー」以来か。また2008年の横浜日産スタジアム無期限活動休止ライブでオープニングで演奏されたのが強く印象に残っているが、今桑田さんは“YOU”に誰を思うのか?これがこのライブをひと言で言い現わしているのかもしれない。

最初の3曲はライブの構成上常に重要。2曲目にきたのはM2ミス・ブランニュー・デイ。おなじみの曲だけど、ここでくるとは。でも考えてみると2008年日産スタジアムでも1曲目YOU、2曲目ミスブラ、という流れは同じだった。

このライブは当然ながら観客がいないわけで、無人の(カメラとか音響とか、スタッフはいるけど)客席を映して無観客をアピールするシーンももちろんある。でも観客がいない分、観客席さえも演出に利用していて、この曲では観客席に照明を設置して床から天井に向けてたくさんのパーライトを照射し、それをまた映像で映すことで普段にはない映像演出を行っていた。

3曲目は、今回のライブの性格上めっちゃ盛り上がる曲で人々を元気づける曲だろうと予想していた。「ロックンロール・スーパーマン」か「希望の轍」か?と思っていたらM3「希望の轍」!今、日々この曲を聴いて元気を出してるという人は多いだろうけど、ここで生で聴けるといっそうこの曲の力強さに引き込まれてしまう。もう完全にいつものライブみたいに集中している自分がいる。大サビの歌詞を「大変な毎日をご苦労様〜」と変えて歌っていた。

この後はいつものようにしばしMCを挟んで次のパートへ。MCも誰もいないところへ話しかけているようでちょっとやりにくそう。

そしてM4 BIG STAR BLUES〜ビッグスターの悲劇!ライブでは2014年の年越しライブのオープニング以来!この時も映画館でのライブビューイングだったので会場で生で聴けたのは2005年の「みんなが好きです」ツアーが最後か。個人的に1981年サザンのライブ原体験とも言える曲でこの曲でサザンのライブにハマったとも言える曲なので、こうして今でもライブで演奏してくれることがメチャ嬉しい!

続いてはM5 フリフリ65!この曲も確か2014年の年越しで演奏して以来。BIG STARと同様に60年代のロックンロールをベースにしていてシンプルでソリッドでカッコいい!家で観ていてもそうだけど、会場にいたら大盛り上がりで狂っていたかも?

M6 朝方ムーンライトは打って変わってクールに。でもこれも久しぶり(たぶん2008年以来)だし大好きな曲なのでクールではいられない。後半のI love you cause you treat me right 〜というパートは日本語で横浜を連想させる歌詞に変えて歌っていた。

M7 タバコロードにセクシーばあちゃん

この曲は2013年のサザン復活ライブで演奏していた。デビュー当時に近い1980年の曲だけど、いまだにライブではお馴染みの曲。

M8 海 このイントロはいつ聴いても参ってしまう。本格的な夏が近づくこのころだからだろうか?またあの2013年復活ライブのオープニングを思い出してしまうからか。これも大好きな曲なのでここで演奏してくれて嬉しかった。

M9 夕陽に別れを告げて この曲も80年代。考えてみるとこのパートのコンセプトは「昔のサザンをリラックスして楽しもう」という感じか。この曲もサザンらしい曲で桑田さんの思い出が歌い込まれているのかもしれないが、この曲を聴いて個人的な思い出に浸る人も多かったのでは?僕も、ついこの曲が発表された85年当時のことや2008年のライブでアコースティックセットでうたわれたことを思い出しながら聴いていた。

そして次に来たのは前半のハイライト、M10シャララだった!クリスマスソングのようなイメージの強いこの曲をこの時期に演奏するのが意外だった。でも桑田さんと原坊のデュエットは やっぱり微笑ましいし嬉しいし、この曲もライブでは久しぶりなので感動。あらためてサザンっていい曲多いなぁ。

このパートはお馴染みの曲が多くて安心して楽しめる。そしてなぜか、古い曲が多い。それもリラックスできる一因かもしれない。

ここからはメンバー紹介。でもいつもとちょっと違って各メンバーのソロまわしでのメンバー紹介。一通り終わって桑田さんが「俺のソロがないじゃないか」とクレームをつける一幕も。

そして楽しい小芝居とラテンナンバーのインタールード?を挟んで次のパートへ。

このパートの最初はM11「天井桟敷の怪人」でびっくり。ダンサー登場。この曲はアルバム」「葡萄」の中でも特に目立っている曲ではないけど個人的には大好きな曲で超嬉しかった。

ここで4〜5曲あってそのあとバラード、そして後半の盛り上がりという構成かと予想していて、これ以降ちょっとマニアック路線にいくのかと思ったらM12「愛と欲望の日々ではじける。ダンサー登場でここはさらに盛り上がる。この曲も最後の「それ行け、ニッポンの皆様。Whatcha gonna do is to dance!」という歌詞でわかるように人々に元気を与える曲。この曲のギターソロはいつも桑田さん。

さらに次は久しぶりのM13 「Bye Bye my love」にびっくり!さらに懐かしい路線できた~!この曲も2008年の「大感謝祭/無期限活動休止ライブ」以来だろうか?

M14「真夏の果実 引きの映像で、観客のいないガランとした横浜アリーナのステージでしんみりとこの曲が演奏されている画があったけど、この状況の中心のこもった演奏と歌だった。いつもはファンの手首に着けられているたくさんのLEDライトが今回は客席に置かれていて、それがここではじめて光りはじめた。前のパートから、というかオープニングから、2015年の「天井棧敷の怪人」を除くとずっと80年~91年までの古い曲ばかり。それがここで一つのクライマックスを迎えたと言える。「真夏の果実」って名曲だな~って改めて感動させられた瞬間。

M15「東京VICTORY」はやはり今回のライブを象徴する曲だろう。OH,OH,OH〜というコーラスではメンバーだけでなくステージ袖や音響照明ブースにいるスタッフまでもが手を突き上げているシーンが映し出される。客席には誰もいないけど、配信を観ている(50万人ともいわれる)多くの人達も同じことをしていただろう。もちろん自分も。この強烈な一体感。このライブが音楽業界イベント業界にも一石を投じるものであるなら、この時この場で手を突き上げながら聴いていたスタッフも感じるものがあったのではないか?またもちろん我々一般のファンもこの曲を聴いてみんなが前向きな力を得ることができたと思う。凄い曲だ。

この曲ではいつものミラーボールに加えて、会場に聖火が設置されていた。

M16「匂艶The Night Club」が間髪入れず始まる。これもサプライズで僕は狂喜。この曲も80年代の曲だけど、桑田さんもお気に入りなのか?2014年、2015年そして今回と、最近になってまたよくライブで演奏されるようになっている。「東京VICTORY」に続いてのミラーボールや、ディスコの雰囲気をイメージさせる照明演出が印象的。

M17 「エロティカセブン」サザンの全シングルの中で「TSUNAMI」に次ぐ2番目の売り上げを誇る人気曲。ライブでは仮面をつけたダンサーがたくさん出てきて盛り上げる。

M18「マンピーのG☆スポット」やっぱり来たか!この曲は2013年のライブのタイトルとなって、すごい演出で盛り上げて以来単なるエロソングというより強烈な生命力を感じさせる曲になっているのでやはりこのライブには欠かせない?今回の「マンピーヅラ」はなんと「悪病退散!」というメッセージとともに疫病を退治すると言われる妖怪「アマビエ」のイラストが。これはすごい。ビキニのセクシーなダンサーも「G」マークの入ったマスク着用。

そして1978年6月25日のデビュー曲M19 「勝手にシンドバッド!ステージ上はもちろん誰もいない客席までダンサーやはっぴ姿のスタッフが入り乱れて、さながら祭りのよう。2018年のあの伝説の紅白や昨年のツアーのアンコールを思い出すような大騒ぎ。2番の歌詞を一部コロナに関するメッセージに替えて歌っていた。

やっぱり最後はこうなるよね~。という大団円というか期待通りの大盛り上がり。この盛り上がりを体験したくて僕たちは何度もサザンのライブに脚を運ぶ。

そしてアンコールへ。アンコールではLEDライトを使って客席に「KEEP SMILIN'」のメッセージを表示。やるな~。大事だね。KEEP SMILIN'。

再びメンバー登場。KEEP SMILIN'のTシャツにみんな着替えている。そして注目のアンコール1曲目はEn1 「太陽は罪な奴。夏の季節感を意識か。この曲もライブではひさしぶりだけど、軽快なノリがうれしい。

En2は今回一番聴きたかった曲のひとつロックンロール・スーパーマン!この曲も「東京VICTORY」と同じでサビで大きく手をウェーブさせる動作が会場の一体感をいやがおうにも高めてくれる。今回ステージ背景の映像でめずらしくスタッフの作業風景を映したりスタッフが曲に合わせて手をウェーブさせる様子を映したり、この曲のそんな特徴をよく表現していた。いつもこの曲には元気にさせてもらえる。サザンの曲の中でも重要な曲の一つ。

この曲のライブでの見どころが間奏での桑田さんと斎藤さんのスライドギターの競演。いつも隣に並んで楽しそうに演奏しているけど、今回は桑田さんが斎藤さんに「ちょっとディスタンスをとるように」と制するようなポーズを。でも演奏はいつものように息が合って最高だった。

そして桑田さんの短いMCでこの状況に関するメッセージがあって、最後の曲です。と紹介されたのがEn3「みんなのうた今回のあのインタールードは「デビューして何度目の夏が来ただろう?」で始まり「人生は世の中を憂うことより素晴らしい明日の日を夢見ることさ」で「みんなのうた」につながる。涙なしでは聴けなかった。この曲もライブでの一体感と盛り上がりではサザンの曲の中で1・2を争うと思う。今回のライブではぜったいやってくれると思っていた。でもアンコールの最後とは!屋外の会場なら派手に放水するところだけど、今回は水鉄砲!

考えてみたら「いつの日かこの場所で逢えるなら、やり直そう」「忘れかけた真夏の恋人はYOU」という歌詞は今のこのタイミング、会場でのメッセージとして最高、まるでこのために作ったみたい。

全22曲。約2時間というライブはサザンとしてはコンパクトだけど、急遽行われることになったこの状況、また誰も経験したことのない配信ライブという形態を考えると十分に濃密な時間だった。終わってみるといつものライブと変わらない幸せな脱力感と充実感。

 

今年はサザンのライブは見られないのかな?と思っていけど、こんな形でライブに参加できて最高だった!
エイズ東日本大震災、そしてコロナ。困難な時にいつも先頭に立って世の中に元気を与える桑田さんをはじめメンバー、スタッフの皆さんを心から尊敬する。今は音楽業界、イベント業界申し訳大変だと思うけど、業界の他の皆さんにも大きな勇気と指針を与えたのではないだろうか?
長いことサザンを聴いてけど、ファンとしてこんなに誇らしく思ったことはない。
今回のタイトルに込められたメッセージをそのままお返ししたい。こちらこそありがとうございます!!

桑田さんの最後のコメント「やっぱり横浜アリーナはファンの皆さんがいないと寂しいです!」が印象的だった。

またライブが終わったあとの配信のエンドロールでは「SMILE~晴れ渡る空のように」が流れ、桑田さんたちの会場入りやリハーサル、スタッフが準備している様子などがずっと流されていた。こんな風にスタッフに焦点を当てることも非常に珍しく、これも今回のライブの趣旨を強く反映した演出のひとつで印象的だった。

【ネタバレ注意!】サザンオールスターズ特別ライブ2020「Keep Smilin'~皆さん、ありがとうございます!!~」

2020年6月25日。サザン42回目のデビュー記念日。今年はサザンとしての活動は予定していなかったそうだけど(ということはむしろ桑田さんがソロでオリンピック関連の活動をすることになっていた、と勘繰ってしまう)、新型コロナウィルスの猛威により世の中の様相が一変したことで急遽開催されることになった。

会場は横浜アリーナ。なのに無観客ライブ。そして有料オンライン配信のみ。価格は3,600円。これを高いとみるか安いとみるか?インターネットで配信を見るだけで3,600円は高いと感じる人もいれば、僕などはサザンのライブが3,600円で見られるなら安い!と感じてしまう。

午後8時開始。約2時間30分と事前にリリースされていた。ということはちょっと短いバージョンで25曲前後か?今回の趣旨はタイトルにもあるように「皆さんありがとう」で特にコロナと闘う医療従事者を支援する意味もあるらしい。収益金は一部医療関係に寄付するのだそう。

ではさっそくセットリストを。

01. YOU

02. ミス・ブランニュー・デイ

03. 希望の轍

04. BIG STAR BLUES

05. フリフリ65

06. 朝方ムーンライト

07. タバコロードにセクシーばあちゃん

08. 海

09. 夕陽に別れを告げて

10. シャララ

11. 天井棧敷の怪人

12. 愛と欲望の日々

13. Bye Bye My Love

14. 真夏の果実

15. 東京VICTORY

16. 匂艶The Night Club

17. エロティカセブン

18. マンピーのG☆スポット

19. 勝手にシンドバッド

アンコール

20. 太陽は罪な奴

21. ロックンロール・スーパーマン

22. みんなのうた

 

広い横浜アリーナで、がらんとした客席を前に本物のライブさながらに、というかいつものように一生懸命やっていた桑田さんはじめメンバーとスタッフに感謝、感動。たぶんすごくやりにくかったんじゃないかと思うけど。我々観客もいつものライブみたいにずっと立ちっぱなしではないし、勝手が違うけど、終わってみればいつものライブと同じような虚脱感。照明、映像など客席に誰もいないからこその演出もあり、スタッフの努力がすごく感じられた。

一方で、桑田さんが「客席にみんながいないとさびしい」というようなことを言っていたのも印象的で、やっぱりライブは同じ空間を共有してなんぼだよな~とあらためて痛感。桑田さんやメンバー、スタッフもそうだろう。

 

1978年から2020年。あの頃誰が今のサザンを予想しただろう?今の世の中にサザンがいてよかったです。

またみんなで集まれる時まで、あきらめずに頑張ろう!

 

民放ラジオ101局特別番組「桑田佳祐のお家でRADIO~こんな時こそラジオでSMILE!」

思いがけずコロナウィルス感染症に日本中が萎縮し社会活動が大きく制限されている中でオンエアされることとなったこの特別番組。

当初は東北でのライブの様子をオンエアする予定だったそうだが、このご時世なのでライブは中止となり、代わりに今時代のキーワードともなっている「テレワーク」風に、自宅でのミニライブという体で、実際はおそらくスタジオライブでの放送となった。実はさほど期待せずに、「やさしい夜遊び」の延長線上で少し「生歌コーナー」があって、、、くらいかと思っていたらこれがびっくり!原坊に斎藤誠さん、片山敦夫さん、山本拓夫さん、金原千恵子さんが集まっての本格的なライブ。

セットリストは

1.それいけ!ベイビー!

2.恋のバカンスザ・ピーナッツ

3.鏡

4.大河の一滴

5.The Common Blues~月並みなブルース

6.悲しい気持ち~Just A Man In Love~

7.SMILE~晴れ渡る空のように ※スタジオ音源

8.いとしのエリー

9.Nowhere Man (The Beatles)

10.明日へのマーチ

「それいけ!ベイビー」で始まって「明日へのマーチ」で終わるという構成は、明らかに現在の世相を意識している。先入観がなかった分、どの曲も意表をつかれて新鮮。でも一緒に口ずさめる親しみやすさ。The Common Blues~月並みなブルースなんてほんとのライブでも聴いたことないけど最高。またいとしのエリーの歌はいつもながら熱唱。思わず18年6月25日の「ちょっとエッチなラララのおじさん」@NHKホールを思い出した。またSMILE~晴れ渡る空のようには、オリンピック云々は横において、今この状況でみんなを元気づける名曲だとあらためて感じた。

今は日本中いや世界中が病気にかかったみたいな状況で、みんなが委縮して閉塞感が漂っているけど、だからこそ「ひとりひとりが元気でいること」「ふさぎこまず、楽しむこと」の大切さを考えさせられる「今必要なちょっとした、でも大切なエンターテイメント」だった。

悲しきプロボウラー

2020.02.12

桑田佳祐&ザ・ピンボーイズ名義での昨年に続いて2作目のシングル。

ちょっとノスタルジックなサウンドで、60年代を彷彿させる軽快で良質なポップチューン。ビーチボーイズみたいなコーラス。“Da doo ronron”というフレーズ。これカーペンターズとかが歌ってたなと思ってちょっと調べたら、クリスタルズという女性グループが62年に発表した曲らしく、プロデュースはあのフィル・スペクターだそうな。この曲「悲しきプロボウラー」のアレンジにもウォールオブサウンドっぽい感じがある。そんなこんなで昔懐かしい洋楽へのオマージュが感じられてとても良い仕上がり。

歌詞もプロボウラーの世界を描きつつ人生普遍の悲哀や切なさも感じられて共感できる。

ただ一つ悩んだのはラストの“round and round and round...”というフレーズ。これ聴いたことあるけどビートルズだったかな?ビーチボーイズだったかな?と悩んだ挙句、詳しい人に訊いてビートルズの“DEAR PRUDENS”だと知るまでにはかなり時間がかかった〜♫

 

‪SMILE~晴れ渡る空のように~‬

民放共同企画“一緒にやろう”応援ソング。

今日2020年1月24日18時40分。全国の民放局が同時放送した番組で初公開された。

初めて聴いた曲なのに歌詞もメロディもスーッと心に染み込んでくる。まだ2回くらいしか聴いてないけど、サビのメロディはほぼ覚えたし、いろんな想いが次々と浮かんできていろんな人の顔が浮かんでくる。理屈や言葉を超えた「音楽のチカラ」を感じさせる名曲。桑田さんがこれまで世に残した500くらい?の曲の中でも指折りに数えられる歴史的な曲だと思う。

東京VICTORYの盛り上がりもいい。切ないバラードもいい。でもこの曲は意外なほど抑制の効いたミディアムテンポの曲だけどこれほど感動的に仕上がるとは。

なんでこんなに普遍的な価値を持つ名曲なのかと考えると、それは「視点」だと思う。直接オリンピックパラリンピックのことを歌うわけではないが、間違いなく題材はそこにあるわけで、この年、この時を共有する全ての人を見つめてSMILEと語りかける視点が普遍的。オリンピックパラリンピックに出る人、観る人、支える人、関係ないけど同じ時代を生きる人。全ての人にその視線は注がれている。

いったいどれだけ沢山の人がこの曲で勇気づけられ、悲しみや苦しみを乗り越えるチカラを得るのだろう。

以上、初めて聴いてまだ1時間くらいしかたたないけど、思ったことをとりあえず書き殴ってみました。

愛はスローにちょっとずつ

2019年8月12日配信。「ふざけるな!」ツアーで初めて披露された新曲。「ツアーの中でお客さんと一緒に育てるというか熟成させていきたい曲」と桑田さんは言ってた。ライブの中盤で演奏され、確かにこのツアーの一つのポイントになる曲だった。

サザンのシングルとしては久しぶりのバラード。Blue Heaven以来?

ライブには3回行ったけど、1回聴いてサビは覚えてしまいそうなほど印象に残った。「愛はスローにちょっとずつ」育っていくのかと思ったら「セピアに染まる」んだって。この儚さがたまらない。大人の歌って言う感じ。

シンプルで抑制の効いたバラードだけど、間奏のギターソロはジョージハリソンみたいでカッコよくかつ切なくて感動的。

またミュージックビデオもいい。やや寂しげな海の映像にライブ映像もインサートされて、すでに記憶となったあのライブの興奮と感動が自然に蘇り、胸が熱くなる。

残念ながらチャートの1位は獲れなかったみたいだけど、またライブでもやってもらって、ファンの中で長く輝き続ける曲になって欲しい。

ライブレポート【ネタバレ注意!】サザンオールスターズLIVE TOUR 2019〝キミは見てくれが悪いんだからアホ丸出しでマイクを握ってろ!!”だと!?ふざけるな!!2019.05.18-05.19福岡ヤフオクドーム(2)

ここまで20曲だが、まだまだ中盤!あまりメジャーとは言えない、やや重苦しいムードでライブは進んできたが、ここから雰囲気は一変!

21. 当たって砕けろ
22. 東京シャッフル
23. DJコービーの伝説
24. わすれじのレイドバック
25. 思い過ごしも恋のうち

ガラッと雰囲気が変わり、スクリーンにはカラフルな「SOUTHERN ALL STARS」の文字が浮かび、関口ムクちゃんのベースはモータウンぽいリズムを刻む。前のパートの重苦しい雰囲気から一気に明るくて楽しい雰囲気に。しかも曲は滅多にライブでやらない「当たって砕けろ」!今回始めて、デビューアルバム「熱い胸さわぎ」からの曲。この構成が桑田さんの「大いなる裏切り」であり、このギャップがあまりにも大きくて、会場の客もここまではやや戸惑いがちだったのが、ようやく「普通に」ノリノリになってくる。とにかくここからの盛り上がりは尋常じゃない。この曲の♪Wooo, Wanted!なんてフレーズも楽しくってしょうがない。

「当たって砕けろ」から切れ目なしに「東京シャッフル」へ。テンポよく明るい曲が続く。「D.J.コービー」の前はあの「ベストヒットUSA」のテーマソングが流れ、スクリーンに小林克也氏が登場。往時を彷彿とさせるDJぶりで“The Legend of D.J. Koby”と紹介されてこの曲がスタート!リアルD.J.コービーの登場に会場は大盛り上がり!こんなストレートなロックンロールもこのライブではこれが初めてで、ここもひとつのハイライトになった。小林克也氏の映像は、曲の間も、終わってからも続き、最後は“See you next week.”というお決まりのフレーズで締め。

さらにさらに!次の「わすれじのレイドバック」の感動は忘れられない。レコードではイントロはふわっとした始まり方だけど、同じメロディながらここではバスドラムなんかが入ってインパクトの強い、感動的なイントロになっていた。しっとり聴かせるというより、レコードよりわずかにテンポが早くてちょっとリズミカルな感じ。映像では初期のサザンの写真がモノクロで映し出されてなんとも言えず感動的。昔のことを思い出して、っていうのもあるけど純粋に今ここで聴いているこの曲の素晴らしさに感動して、ここは思わず落涙。この曲のメロディはホントに最高。最後の♪ラララ~ララ~ララというパートでは両手を大きく広げて左右にウェーブ。桑田さんもこの時はアコースティックギターから手を放して、また楽器を持っていないTigerやODYのコーラス陣も、そして広いドームの観客全体が。圧巻。レコードではここの歌詞は“Everything is alright now. I believe in you just forever.”とかだけど、ここは「一人じゃ泣いたって情けないまで」「ひと夜の恋なんて夢見てるようで」と来て、最後は「ひとりひとりを抱きしめたいのさ」そして「Oh, Oh, Oh, Oh~」で終わり。感動しかない。このパターンは25周年ライブでもあったけど、あの時はメドレーのラスト。今回はフルコーラス。この曲をフルコーラス演奏したのって、いつぞやの年越しライブを映像で観たことあるけど、ほんとに久しぶりじゃないだろうか?

初日にスタンドから観てた時、「レイドバック」の途中でステージ下にぞろぞろと10人くらいのスタッフが集合して中央付近に進んでいくのが見えた。「もしや?」と思ったら、果たしてこれは思い過ごしも恋のうちのイントロでチープな紙テープをステージに放り投げる人たちだった!このチープ感は明らかにデビュー当時を意識したものだろう。「レイドバック」の感動のあとだけに「思い過ごし」のイントロでは会場は爆発したと言ってもいいくらいの盛り上がり!ステージのメンバーも含めて全員がノリノリ。サビの部分ではみんなで両手を前後に振るのがお決まりになったようだ。「当たって砕けろ」からのこのコーナーは78年、83年、82年、80年、79年ととにかくデビューの頃の初期の曲を集中投下していて、しかもストレートに心や身体に響く曲ばかりなので、まあ盛り上がる盛り上がる。間奏のギターは桑田さんと誠さんのツインで向いあうようにして弾いていた。こういうシーンもライブの中で毎回1度はあるけど、二人の息の合ったプレイも40年以上の年月を超えたもの、と思うと感慨深い。「思い過ごし」は今回一番盛り上がった曲のひとつかもしれない。

26. はっぴいえんど

27. シュラバラバンバ〜VENUS~恋の季節
28. マチルダベイビー
29. ミスブランニューデイ
30. イエローマン
31. マンピーのGスポット

ここでまた雰囲気が変わって2015年のはっぴいえんど。これはまた人気曲。ここで意外だったのは、映像は何もなくて(!)桑田さんはここまでギターを持っていたのが手ぶらになってハンドマイクでステージ両サイドを移動しながら隅っこのファンに手を振り、「ありがとね」と声をかけながら歌っていた。1番では上手(ステージ向かって右側)、2番では下手(同左側)へ。このリラックスした感じと、曲の持つ「仲間」とか「大切な人」を思う気持ちがまた感動を誘う。またライブでいつも思うけど間奏のバンドアンサンブルが最高。この辺になるともう夢うつつ状態。

たいていのサザンのライブでは、後半の盛り上がりに入る前はバラードでしっかり感動させて、というパターンが多いけど、そうじゃないこともある。今回はそのパターン。「はっぴいえんど」から「シュラバ★ラ★バンバ」へ。この曲ではまさに90年代!のジュリアナ風の衣装と扇子で飾ったダンサーが現れて、桑田さんも扇子を持って、サビではジュリアナ風に頭の上で扇子を振る。お客もそれを真似して大盛り上がり。また、2番のサビから少しキーが上がるところで曲調が変わった。なんか聞いたことある曲だなぁと思ったら、これは確か80年代に流行ったBananaramaの“VENUS”だ!♪I'm Your Venus, I'm Your Fire, Your Desire.というヤツ。ただし歌まではいかず、イントロだけだったので気付いた人は少なかったかも?そしてそこからさらに曲が変わって、♪忘れられないの あの人が好きよ 青いシャツ着てさ 海を見てたわ・・・ピンキーとキラーズ恋の季節!昭和の歌謡曲!シュラバ★ラ★バンバにこれをぶっこんでくるとはビックリ!そしてまたシュラバ★ラ★バンバのサビに戻って大盛り上がり♪この曲はもっとライブでやって欲しい!

ここからは最後の怒涛の連チャンノリノリコーナーへ。「マチルダBABY」はいつもの通り。炎の玉(これ広いドームの中でもあの熱が伝わってくるから凄い)と爆竹の特効、「HEY!HEY!」というシャウト、これぞサザンのライブ、という熱気はこの曲を最初にライブで聴いた83年から変わらない。当時は特効はなかったけど。

「マチルダミス・ブランニュー・デイが続くパターンはよくある気がするけど、何度聴いても、「ブランニュー・デイ」のイントロが始まった時の盛り上がりは凄い!「マチルダ」もそうだけど、この辺りは偉大なる予定調和というか、これがないと始まらないというか、新鮮さや意外性は全くなくて毎回同じパターンなんだけど、毎回必ず自分の中でグッとくるものがある。またこの曲もライブが真骨頂だろう。毎回違う間奏は、昨年の「40周年キックオフ」「Rock In Japan Fes」以来のちょっとハードなバージョン。

たたみかけるように「イエローマン」のイントロ!そしてあの謎の黒マントの仮面男が登場!この男こそがイエローマンだったんだ!途中メンバー紹介やムクちゃんのダンスのコーナーはここの伏線だったということがようやくわかる。この手法は2017年の「がらくた」ツアーでの「ヨシ子さん」(途中で謎の映像が流れて後半でヨシ子さん登場)以来か。ステージ上はイエローマンやら水着の女性ダンサーやらが入り乱れて大騒ぎ。会場大盛り上がり。🎵Tururururu〜ではみんなで両手を波のように動かすイエローマンポーズ。もう楽しくって仕方がない!

そして間髪を入れず重いベース音がリズムを刻む。「マンピーのGスポットへ!今回もマンピーヅラは「マイクを握ってろ!」バージョンだが、より進化してなんとなく男のイチモツを思わせるマイクを赤いマニキュアの手が握ってるというデザイン。なんか旗が立ってるなと思ったら「福岡好いとうよ」というメッセージだった!もうこの辺はとても冷静ではいられなくて、記憶も定かでないくらい。パンツを頭からかぶった男のダンサーがたくさん出てきて、桑田さんを挟んで桑田さんが困ってるという設定。これは昨年の「ROCK IN JAPAN」以来のパターン。盛り上げるだけ盛り上げて、曲が終わると、突然寂しげなメロディで「パンツを頭に被ったら、勉強ができなくなっちゃうよ」とか「お化けに会っちゃうよ」という桑田さんのおかしな歌が流れ(これはライブではなくて音源だった)、ダンサーが我に返って床に落ちたパンツを拾ってすごすごと寂しそうに引き上げる、という設定。「マンピー」でバーンと盛り上げながらなんとなく盛り下がって本編終了という、ワザと中途半端なままでアンコールへ。

 

でも客はみんな疲れ切っていて(メンバーはいつまでも若いけど、ファンはやはり高齢化の波には逆らえない?)、みんな座り込んで拍手や手拍子をする元気もない。ウェーブも起きない。

それでもサザンは再び出てきてくれる!

いつものようにメンバー、サポートメンバーみんなツアーTシャツを着て。でも桑田さんだけはツアーTシャツではなくて、また違うTシャツを着ていた。


32. I AM YOUR SINGER
33. LOVE AFFAIR〜秘密のデート
34. 栄光の男
35. 勝手にシンドバッド
36. 旅姿六人衆

I AM YOUR SINGERはやっぱり感動的な曲で、あの2008年の「大感謝祭」(無期限活動休止ライブ)以来、この曲がライブで聴けるとは思っていなかったので感動。桑田さんはここでもステージを上手から下手へと動き回り、会場全体に手を振りながらこの曲のメッセージをリスナーひとりひとりに伝えようとするかのように歌う。終盤に「太陽が沈むのをOh, Oh, Let's sing along. 止めて」という歌詞があるが、まさに「ここで時間を止めて!」という心情だった。

そしてこの後がプチ・サプライズ!4月に聴いた広島ではこのあとは「栄光の男」だったが、福岡ではここで港を思わせる汽笛の音などが・・・あれ?広島と変わってる?と思ったらやはり「Love Affair~秘密のデート」だった!順番が変わってる!この曲はサザンの全楽曲の中でも有数の人気曲だしライブの定番曲なので、ここは「みんなで歌おうコーナー」という感じ。「ボウリング場でカッコつけて」というところがこれまでよりも強調されていて、早くからボウリングのピンが大きく映像で映し出されていた。最後のコーラス部分では“The night we met I needed you so.”というザ・ロネッツの名曲“Be My Baby”の一節を取り入れていた。フィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドつながりのリスペクトだろうか。こんな細かなこだわりもファンとしてはすごくうれしい。

そして長嶋茂雄さんのあの有名な映像「我が巨人軍は永久に不滅です!」から「栄光の男」。1974年の大学生桑田佳祐もこの映像を見て、2013年になってこの曲が誕生した。広島の時とは「Love Affair」と順番が逆になっている。もう残り少ないし、個人的に大切な曲なのでここも食い入るように聴く。2番からは映像は「平成の栄光の男」イチローの映像に変わる。この曲はいつものように桑田さんはアコースティックギターを抱えて歌う。「終わりなき旅路よ明日天気にしておくれ」。

この後は広島同様「ロックンロールスーパーマン」を期待したが、あれ?様子が違う。

毛ガニがおもむろに「はじめまして!パーカッションの毛ガニです!」と語り始めた。*毛ガニはメンバー紹介でスルーされて紹介してもらってない…  「でも桑田!酷くない!?僕を無視するなんて!僕だって、サザンが大好きなんだ!!」そして毛ガニがリズムを刻み始めた!

!!!あ!!!これは!?まさかの!?

桑田さんが「Oh Yeah〜!」と客を煽り始める!

なんと禁断の(?)勝手にシンドバッド!!

あの紅白歌合戦のあとだけにもともと今回のツアーでは絶対やると思ってたけど、広島では演奏されなかったのが凄く意外で、それはそれで桑田さんのある種の「裏切り」〜シンドバッドはなくてもファンを楽しませてやる!というこだわり、決意の表れなのだろうと解釈していた。それが、5月4日放送の「夜遊び」で、ライブ後のファンのアンケートを読んでいて、「あの部分は××と同じでしたね。」という指摘があったそう。実はそこは桑田さんも気にしていたところらしく、痛いところを突かれたらしい。それで「今回は絶対やらないと決めていた曲を引っ張り出した」と、ライブの内容、構成を途中で変えたことを示唆していた。たしかに、「Love Affair」〜「ロックンロールスーパーマン」という流れは昨年の「40周年キックオフライブ」(NHKホール)のアンコールと同じで自分も気にはなっていた。だから今回「Love Affair」と「栄光の男」の順番を変えてきたのかと思ったし、もしかして別の曲の投入があるのか?とは思ったが、まさか2005年の発表以来どんなライブでも必ず演奏してきた「ロックンロールスーパーマン」を外すとは思わなかった!さらにまさか「勝手にシンドバッド」が入るとは!

でも個人的には、また会場全体としても、ここは超超ビッグサプライズで、最大の盛り上がりとなった。🎵ラララーラララで銀打ちテープがバーン!あの紅白の印象があるだけに、ここで聴く「シンドバッド」は最高!!

いよいよ最後の曲がやってきた。短いMCの後で「最後の曲を聴いてください」と言って始まった「旅姿六人衆」。映像には「旅姿四十周年」と表示された。サザンは今六人衆ではないからだろうか?ファンの方を指差しながら「お前が目の前にいるならいい」と歌われるとこっちも涙を堪えられなくなる。「華やかな者の影で今 動く男達」は「〜動く仲間達」(今は女性スタッフも多いのだろう)、「Mr. Suizuらがいてくれたら」は「Mr. Nanyaさんらが〜」(現在の舞台監督)へ変えて歌っていた。ラストの🎵ラララーという“Hey Jude”を思わせるコーラスはみんなで両手を広げて大きくウェーブさせる。もう一度最後に桑田さんのボーカルだけで🎵お前が目の前に〜と歌い、最後は🎵福岡でまたやろうね みんな元気でまた逢おうね 福岡でまたやろうね〜 みたいなエンディング。ここのメロディは「20周年渚園ライブ」のラストで演奏した時に「Do you remember love is forever ?」と歌っていたのと同じメロディ。なんとも言えない感動的なエンディングだった。

終わっていく寂しさ、圧倒的なパワーやエネルギーをもらった興奮、感謝、いろんな感動が渦巻いているけど顔はひたすら笑顔になってる。

エンディングはいつものように簡単なメンバー紹介とともにみんなステージ前方に整列(ここでも毛ガニはスルーされていた)してご挨拶。いつもはサザンの最新曲がBGMとして流れるが、今回は茅ヶ崎の大先輩、尾崎紀世彦また逢う日まで。サポートメンバーやダンサーは退場してサザンの5人だけで再びステージを端から端まで移動して挨拶。いつものように手厚いエンディングだった。最後は「福岡バンザーイ!」と万歳三唱で終了。

考えてみるといつもにも増してダイナミックな構成だけど凄いパワーを感じ、エネルギーをもらったライブだった。ファンの顔ぶれもかなり年齢が上がってるのがわかるけど、こんなオジサンやオバサンが派手なツアーTシャツを着て群がるというのがよくわかる。今このライブを形容するのに一番しっくり来る表現は「愛と生命力」という感じかな?

2日間で計7時間。ずっと笑顔でいられるこんな時間って間違いなく他にない。