月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

17. 月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)

タイトルはもちろんビートルズの4人のことを指している。ビートルズ来日の時、メンバーを乗せた車列が夜の首都高を走る映像を見て感激したという桑田さん自身の経験からできた曲。ビートルズのことを歌っていると同時に、当時の(思春期なのかその一歩前なのか?)の自分や周囲(時代?)の若さやそれ故の切なさ、希望みたいなものを歌い、またそんな時代との対比として、若さを失い変わってしまった今の日本を歌う。

また、偶然ながらこのアルバム発売の16日後に東日本大震災が発生するのだが、日本中が悲しみに打ちひしがれた中でも、この曲の「現在(いま)がどんなにやるせなくても明日(あす)は今日より素晴らしい」というメッセージは多くの人に向けて力強い輝きを放つ。

ライブで聴くこの曲はまた格別で、2011年の「宮城ライブ」「みんなで元気になろうぜの会」2012年「I love you now and forever」2016年「ヨシコさんへの手紙」で演奏された。中でも「元気になろうぜの会」は、自分は神戸で体験したが、ストリングスやブラスなどフルオーケストラに近い編成で迫力ある演奏を聴かせた。「明日は今日より素晴らしい」の部分のブレイクの感動は忘れられない。

 

しかし、考えてみると、このアルバム17曲も入ってたんだなぁって、改めて感動。