夜風のオン・ザ・ビーチ/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

4.夜風のオン・ザ・ビーチ

これはレイ・チャールズ!カッコいい!

この辺からの数曲がこのアルバムのブラックミュージックの影響を一番濃く感じさせるところ。レイ・チャールズはピアノを弾きながら歌うけど、この曲はギターの方が目立っていてちょっと違うんじゃないの?と言われそうだけど、個人的には、ギターのリフとか、サビでコーラスと絡むあたりとか、レイ・チャールズをメチャメチャ意識してる気がする。ただレイ・チャールズとかリスペクトする対象をまねするだけじゃなく、そこに自分たちのオリジナリティを加えていこうという姿勢がこのあたりから見られる。またそれは近年に至るまで、桑田さん/サザンの一貫した音楽づくりの基本姿勢であるように感じる。

タイトルが示す通り「夏の海」のイメージも強い曲だけど、明るいさわやかなイメージではなくて、どちらかというと暗くて人気のない海のイメージ。辻堂、えぼし岩という湘南の地名も出てくる。辻堂は他の曲には出てこないけど、えぼし岩はこれから始まって以後何度も桑田さんの歌詞に登場するようになり、一種のシンボル的な存在となる。どうでもいいけどこのブログのタイトルにも使わせていただいている。

また「まるでえぼし岩にいるような 揺れる彼女の胸にすがって」という歌詞があるけれど、えぼし岩って女性の乳房=女性の象徴みたいなイメージがあるのか?」このあたり、映画「茅ヶ崎物語」をもう一度見返してみよう。