【ネタバレ注意!】桑田佳祐LIVE TOUR 2017 がらくた at 広島グリーンアリーナ

ライブレポート2017.10.29

桑田佳祐LIVE TOUR 2017 がらくた at 広島グリーンアリーナ

 

席はなんと前から3列目。ステージ向かって左側の端から8番目で、ステージの左端にかろうじてかかっているくらい。本番で桑田さんがやってくればなんとか正面に見えるかな?という位置。それでもこれだけ近いと、余計なものが視界に入らずステージに集中できるし、映像がなくても大丈夫なくらい近い。その昔、1982年に和歌山のライブで前から2列目、防府だったか前から5列目、5年前の広島と福岡で前から7列目というのはあったけど、これだけ広い会場で3列目というのは、44回目となるサザン~桑田ライブでも最高の席か!?

開始前はやたらとウェーブを半ば強要するおっさんがいて、ウェーブは好きだけど強要されるとややうざい。

そして時間通りに開演。

 1. しゃあない節

暗転のステージにメンバーが現れ、特に何の演出もなく演奏開始。イントロはぶったまげた「しゃあない節」。飾り気のない曲だけにこのようなあっさりとした演出か。しかし桑田さんはこの曲のバンドサウンドが好きで、ライブで演奏するのも簡単でいいとラジオで話していた。リラックスして演奏できるのかな?

バンドメンバーはいつものおなじみのメンバーに加えて、ギターに中シゲヲ(サーフコースターズ)が加わっている。2011年のライブ以来。またどうやらピアノ/キーボードは片山君独りで深町栄さんはいない。コーラスはタイガーと佐藤嘉風の二人。

 2. 男達の挽歌(エレジー)

最近のライブでは1曲目はやや抑えめ、2曲目もクールに、3曲目でどかんと盛り上げる、という流れが多く、頭3曲の流れは非常に重要。1曲目が地味な曲だったので2曲目は?と思ったら、これも決してメジャーな曲ではないこの曲。聴衆もここまでは桑田さんが出てきたという熱狂もありつつ、曲に対してはやや戸惑い気味か?またこの曲までは背景の映像もなく、演出も抑えめだった。

 3. My Little Hometown

ここはいつもたいそう盛り上がる曲がくることが多い。2曲目までは抑えめだったのでドーンとくるかと期待したが、最初はちょっと拍子抜け?でも好きな曲だし、人気の曲でなかなかの盛り上がり。ここで映像の演出も入る。間奏の♪ラーラーラーラーラーラーで両手を左右にウェーブするような振りはすっかり定番になったか。

 

MC 短いあいさつ程度のMC

予想通りここからは『がらくた』コーナー。

 4. 愛のプレリュード

5. 愛のささくれ~Nobody Loves Me

6. 大河の一滴

7. 簪(かんざし)

8. 百万本の赤い薔薇

9. あなたの夢を見ています

10. サイテーのワル

ずらりと7曲一気に『がらくた』から。とっておきの曲はまだ残してあるけど、これだけでもバラエティに富んでいて1曲1曲がぐいぐい引き込むような魅力満載。「大河の一滴」のノリの良さ、簪(かんざし)の艶っぽさ、そして「百万本の赤い薔薇」で一気に華やいでノリノリ、この曲は大好きな曲ながら昨年の年末ライブではやってくれなかったので聴けて超うれしかった。イントロのアレンジがオリジナルとは違っていてちょっとサプライズ!「あなたの夢を見ています」のロマンティックさとサビのスピード感(間奏のスライドギターやビートルズみたいなピアノもしっかり楽しめた、最高!)、「サイテーのワル」のシリアスなハードロック。今思えばあっという間に過ぎていった。退屈な曲が1曲もない、『がらくた』の質の高さがこのライブの質の高さを規定している。

MC~メンバー紹介

11. 古の風吹く杜

久しぶりに聴くこの曲はやはり最高。前の曲からメンバー紹介を挟んでリラックスムードで進行。サビのハイトーンのあたりは目を閉じてしっかり堪能。何度でも聴きたい曲。

12. 悲しみよこんにちは

ちょっと意外な選曲だった。どうも今回は『がらくた』以外はちょっとマニアックなセレクトが多い気がし始めた。どういう意図なのだろう。事前の予想、というか期待を込めて、ソロ30周年を総覧するようなヒット曲満載の構成(例えばメドレーとか)を予想していたが、ちょっとそこは外れた感じか?でもいい意味での外れ方というか、ヒット曲だけでなくすべての曲をいい意味で見直すきっかけになったかも。

13. Dear Boys

これも意外な選曲。びっくり。事前情報で「ライブで初演奏の曲がある」と聞いていたが、どうやらこの曲のことか。

14. 東京

金原千恵子の艶めいたバイオリンソロが鳴り始める。それが進むにつれ、また背景は雨の映像に。これは「東京」だ、とだんだんわかり始める。と静かに桑田さんのボーカルで♪町の灯がにじむほど・・・ 異色の「東京」アレンジ。間奏は桑田さんの渾身のギターソロ。また最後の♪雨よこのまま~のパートはライブでは省略されることもあるが今回はしっかり演奏されていた。この重い曲調はライブ中盤で強烈なインパクトを残し、さらに後から考えれば次の展開を一層際立たせる素晴らしい構成だったと気づかされる。

15. 恋人も濡れる街角Yi Yang

おもむろに「恋人も~」を歌い始め、会場は驚いていたが、このパターンは昨年の年末ライブで聞き覚えがあり、すでになじみ深くてすぐにわかった。ただし今回は「恋人も~」は替え歌で「恋」を「鯉=カープ」に置き換えたような、CSで負けて日本シリーズの道を断たれたカープのことを歌った歌詞で会場を盛り上げた。またメドレーで始まった「Yi Yang」はダンサーも入って大盛り上がり!

*稲川ジェーン映像

ここでなぜか桑田さんが稲川淳二に扮して怪談を語るような映像が入る。「443・・・444・・・そうもひとつ合わない」みたいな話で、「445・・・ヨシ子」かな~といかにも連想させる。まさかここで「ヨシ子さん」が?と考え始めたが、果たして映像の中でも「見えないけど誰かいるんです」とか話す『桑田=稲川ジェーン』の横にヨシ子さんが・・・これは間違いない!と思ったら映像は終わり、なぜかイントロは全く違う曲だった。いったいどういう意味があったのか、いまだに不明・・・?

16. 君への手紙

前の映像のインパクトが強くて、ちょっとこの曲の魅力が正直薄れてしまったような気がしなくもないが・・・ここで初めてリストバンドが点灯。

MC

17. 若い広場

短いMCで「まだまだひよっこ」というキーワードで「若い広場」スタート。MVと同じイメージの演出でダンサーも登場して、ほのぼのした感じがよく出て楽しめた。♪肩寄せ合い~のパートはみんなで大合唱。というほどでもなかったかな?

18. ほととぎす(杜鵑草)

今回のライブで一番楽しみにしていた曲。どんなパートでどんな演出で歌われるのか?やはり一番大切なところで、曲と同じく無駄をそぎ落としたシンプルな演出だった。ワンコーラスめは映像もなく、ステージは暗転の中後から当たる白いライトに照らされた桑田さんのシルエットだけ。オーディエンスの反応も静かだが、白けているのではなく静かに集中して聴き入っているのがよくわかる。広いホールに響き渡る桑田さんの叙情的なボーカル。1番のサビが終わったところでさざ波のように起こる静かな拍手が印象的。胸を締め付けるようなせつなさ、気高さを持つこの曲の魅力がよく表現されていた。思わず落涙。

19. 過ぎさりし日々(ゴーイングダウン)

一転してノリのいい演奏。これは確か70年代のLed Zeppelinの曲。ドラムからだったか、各メンバーがソロを回し始める。そして一気に盛り上がる「過ぎさりし日々」のイントロ!桑田さんはケバい防止をかぶって、ラメのような上着を着て、杖のようなものを持って、昔の派手なロックスターくずれの道化師のようなイメージの扮装でにぎやかに歌う。大好きなこの曲がここで使われたのがうれしくて僕も大盛り上がり。考えて見れば、「Yi Yang」から連続で『がらくた』からの曲だけで構成されていて、それだけでこれだけライブの雰囲気を自在に操れるとは、『がらくた』というアルバムの深さを思い知った。聴いてる間はそんなことは考えず、ただ盛り上がるのみ。最後の♪More more moreという部分は客席とのコール&レスポンスあり。

20. オアシスと果樹園

またも『がらくた』から。この曲も大好きで、人気も高く会場はもう大盛り上がり。サビの手拍子がいつも楽しい。この曲もライブで聴くとアルバム以上にノリがいい。

21. 悲しい気持ち~Just A Man In Love

キター!って感じ。もうここからは怒涛の盛り上がりへ。イントロで銀テープが発射されたが、ステージに近すぎてとれず。こんなことも初めてだった。ソロ30周年ということで改めてクローズアップされた曲で、会場がひとつになってる感が最高!

22. 波乗りジョニー

またキター!もう自分はいつもの『ひとりその場ジョギング』状態。体力勝負。ダンサー登場で金原さんがその振り付けをまねしながら会場をあおる。シンプルな振り付けをまねしているファンも多く、これも会場がますますひとつになってる感じ。こんなに盛り上がる曲はサザンの曲も含めてそんなにないんじゃなかろうか!?!?!?!?

23. ヨシ子さん

ついにキター!さっきの映像は何だったのかとも思いつつ、もうここまで来たらそんなことはどうでもいい。「波乗りジョニー」のノリとは全く違うが、これはこれで大盛り上がり。ライブでのこのカオスな感じはすべてを飲み込んで「もうなんでもいいじゃん!」という楽観を是とする強さがある。最高!名曲!

 

Encore

24. ダーリン

いつものようにメンバーみんながツアーTシャツを着て登場。なぜかこの曲のことを忘れていて、イントロが聞こえた時には意外に感じたと同時に歓喜!昨年の横浜年末ライブ、そして今年の春ごろに何度も行った横浜の街を少し思い出し、また行ってみたいと思った。本編ラストの大盛り上がりから一転してのリラックスムード。こんなアンコールっていい。

25. 銀河の星屑

ここはもう一度ノリのいい曲が来るだろうという予想通り。「Rock and Roll Hero」あたりかと思ったが。イントロで金原さんが弾き始めたのですぐにわかった。この曲は演出で炎が何度もいくつも燃え上がる。席が前だっただけに炎の熱さがダイレクトに伝わってくる。やっぱりこれ熱い!

26. 白い恋人達

この辺で来るかな~と思っていたけど果たして!どこで演奏されても会場の雰囲気をすべて持っていく名曲。たぶんこの後あの曲でラストか、と大体予想ができる。

27. 祭りのあと

この曲が来ると「もう終わりだな」と思ってしまうのでちょっと、いやかなり寂しい。ステージの後ろの方で金原さんが派手に手拍子などのポーズで客を煽る煽る。これがまた印象的だった。

28. 明日晴れるかな

前の曲が終わってもまだライブは終わりそうにない!これはもしかして・・・と思ったら、イントロなしでアカペラで歌い始めるバージョンのこの曲。前回2012年のソロツアーの時と同じパターン。これは感動的。間奏はバンドの演奏を落として、「みんなまた帰ってくるから頑張れ、負けるな!」みたいな、力強い呼びかけ!これにはまた感動した~。最高!

 

終わってみれば全28曲。約2時間45分。なんか最近のサザンでは34~35曲やることもあるのでなにか物足りない気もしたけど、確認してみると普通は27~28曲なので、これで十分でしょう。

曲目的には、ソロ代表曲とも言える曲の中で、「月」「風の歌を聴かせて」あたりはなかったし、KUWATA BANDの曲もなかった。また個人的に大好きな「それいけベイビー!」「涙をぶっとばせ!」「明日へのマーチ」「Let’ try again」あたりも聴いてみたかった。『がらくた』以外はわざと少しマニアックな選曲にしたのかも。それでも感じるのはやはり『がらくた』の楽曲のチカラ。ライブのメインとなるのは当然ながら、ポップでパワフルな珠玉の名曲ぞろいであることを改めて感じさせてくれた。また最近の桑田さん~サザンのライブに通じる、生命力と前向きなエネルギー、そして愛で満たされるライブだった。終わってからのみんなの笑顔が一番印象的だったかも。

桑田佳祐年末ライブ2016~ヨシ子さんへの手紙~悪戯な年の瀬

2016.12.27. 横浜アリーナ

1.悪戯されて 16.”君への手紙”

2.ダーリン 07.同

3.本当は怖い愛とロマンス 10.同

4.悲しい気持ち~Just A Man In Love~ 86.同

MC

5.鏡 94."孤独の太陽

6.飛べないモスキート 94.”孤独の太陽

7.エロスで殺して~Rock On 94.”孤独の太陽

8.東京ジプシーローズ 02."Rock and Roll Hero!?"

9.So What ? 11."Music Man"

10.それ行けベイビー!! 11."Music Man"

11.ミスタームーンライト~月光の聖者達~ 11."Music Man"

MC~メンバー紹介

※2016年の新曲コーナー

12.愛のプレリュード 16.”ヨシ子さん”

13.大河の一滴 16.”ヨシ子さん”

14.あなたの夢を見ています 16.”君への手紙”

※横浜コーナー

15.傷だらけの天使 11."Music Man"

16.恋人も濡れる街角~Yin Yang 13.同

17.メンチカツブルース 16.”君への手紙”

MC

18.風の歌を聴かせて 07.同

19.Jouney 94.”孤独の太陽

20.君への手紙 16.同

21.真夜中のダンディー 93.同

22.Rock and Roll Hero!? 02.同

23.波乗りジョニー 01.同

24.Early In The Morning 10.”本当は怖い愛とロマンス

25.ヨシ子さん 16.同

Encore

1.幸せのラストダンス 12.同

2.白い恋人達 02.同

3.祭りのあと 94.同

悪戯されて

WOWOWやフジテレビで放送され、DVDにもなる「偉大なる歌謡曲に感謝」で、内山田洋とクールファイブみたいに扮して歌っていた、パロディのような、でもよく聞くと胸を締めつけるほど切ない曲。この手の桑田佳祐スタイルの歌謡曲には、2013年の「YIN-YANG」「おいしい秘密」などがあるが、この曲は中でも白眉というか、昭和の歌謡曲の艶やかさというか色っぽさが一番良く出てる。ノスタルジーというより、昭和30年代か40年代にホントに桑田佳祐という歌手がいたみたい。

どちらかというと洋楽で育ったと思っていた自分にも、やっぱり昭和30年代生まれのDNAがあるんだなぁと再認識した次第。

なんとも言えない切なさが胸を打つ名曲。幅広い世代の人たちに聞いてほしい。

ピチカートファイブ - メッセージソング

ピチカートファイブにハマった。

最初は、リオデジャネイロパラリンピックの閉会式での日本のプレゼンテーションで、彼らの「東京は夜の7時」のカバーバージョンが使われたという話題から久しぶりに思い出し、Youtubeでいくつか聴いていた。

 

で、たまたま聴いたこの曲。「メッセージソング」。1回聴いただけで忘れられなくなった。

何という疾走感。

何という寂莫感。

 

NHKの「みんなのうた」で流れていたそうで、そこでは離れてしまった我が子への想いを歌ったと解釈されていたらしい。

失われた恋を歌っているようにも聴こえる。

胸をしめつける、言いようのないエモーションが塊となって存在している。

 

「君と僕はいつかきっと必ず会える」という歌詞の内容など、ちょっと村上春樹の「1Q84」のような世界観を感じた。

この1ヶ月聴いてた曲

世界で一番熱い夏 プリンセスプリンセス

ダイアモンド プリンセスプリンセス

M プリンセスプリンセス

歩いて帰ろう 斎藤和義

ヘロン 山下達郎

Sweet Soul Revue ピチカートファイブ

Twiggy Twiggy ピチカートファイブ

東京は夜の7時 ピチカートファイブ

セロニアスモンクのピアノソロ

Live at the Hollywood Bowl The Beatles

百万本の薔薇の花 桑田佳祐

ヨシ子さん 桑田佳祐

夜空のモーメント

新聞記事の片隅にトゥーツ・シールマンス氏が亡くなったという報せがあった。

93歳だったかな。

珍しいジャズハーモニカというジャンルを切り開いた、おそらく世界の音楽シーンでも特異なポジションにいた人だと思う。

そこで思い出すのが表題曲。ビリージョエル1983年のアルバム“An Innocent Man”に収録されている、世界で一番美しい曲の一つ。

この曲も彼のハーモニカなしには生まれなかっただろう。他にも素晴らしい演奏をたくさん残してくれた。ご冥福をお祈りします。

 

Billy Joel - Leave A Tender Moment Alone (Live Version) HD - YouTube

PRIDEの唄~茅ヶ崎はありがとう

リオ・オリンピックが終わった。ここで思い出す1曲。桑田さん2001年の「波乗りジョニー」カップリング曲の『PRIDEの唄~茅ヶ崎はありがとう』

オリンピックとは何も関係ない曲だけど、通じるテーマがあって今聴くと胸にしみる。それに単純な話、メロディも歌も秀逸。

 

サザンファンの格闘家小川直也が2000年夏サザンの茅ヶ崎ライブに友情出演。その返礼として、同年10月の「PRIDE11」で小川が大阪城ホール佐竹雅昭と対決を行った際にゲストとして登場した桑田さんが試合前に披露したオリジナル曲。そのライブバージョンが『波乗りジョニー』のシングルに収録されている。ほとんど注目されることのない曲だけど隠れた名曲で、特にオリンピックが終わった今聴くと、選手たちが繰り広げたドラマに思いをはせて静かで深い感動を覚える。そこでちょっと歌詞をご紹介。ビクターさん怒らないでね。

 

f:id:naminorijizzy:20160822182623j:plain