サザンオールスターズ キックオフライブ2018「ちょっとエッチなラララのおじさん」LIVE REPORT Vol.1

東京NHKホール。最近のサザンは大きなスタジアム、ドーム、アリーナばかりなので、こういう普通の音楽ホールで観るのはいつ以来だろう?とはいえこの会場は音楽ホールとしては巨大。キャパ3,800人だそう。今回はそんな会場でサザンを観られる、聴けるというだけで貴重なのに、席はなんと前から3列目。ステージやや下手寄りでちょうどベースの関口ムクちゃんの前あたり。

自分がサザンのライブに行き始めた1981年ごろは、まだ前から5列目とか2列目とか取れることがあったけど、その頃のライブの雰囲気をちょっと思い出す。多分そんな人も多いんだろう、年齢層はかなり高くて、ほぼ50代〜40代の、いわゆるおじさんおばさんばかり。こんなおっさんがサザン聴くの?って言いたくなるけど、まあ自分だってそうなんだから、って思うと、なんかみんなに親近感が湧いてくる。

今回はみんなお一人様だし、ステージに近すぎて周りの人たちもなんだか緊張気味の表情。自分もそうだったと思うけど。

開演前はずっとサザンの曲がかかっていたけど、ここで流れてる曲はライブではやらないのかなぁ?なんて考えながら聴いていた。

開演10分前くらいだったか、客席の通路に出てきてみんなをアジるおっさんがいて、「40周年おめでとう!」をみんなで大声で叫んでメンバーに届けた。

そして開演。元NHK有働由美子アナウンサーのナレーションで煽っておいて、一度「X japan!」と紹介してズッコケておいて、いよいよメンバー登場!

M1. 茅ヶ崎に背を向けて(40周年バージョン)

最初の3曲はデビューアルバムから来るだろうとは予測していたが、1曲目はなんと「茅ヶ崎に背を向けて」。ラジオで言ってたそのまんまやないかい!でも「寂しいねこれから先」など一部の歌詞を40周年に相応しい内容に変えて歌っていた。この曲は考えてみればライブで聴くのは初めてだ。サザンだなぁって感じ。桑田さんの衣装は赤とピンクのTシャツに白っぽいパンツ。ステージまで5m、桑田さんの立ち位置までも10mもなくて、視力の落ちた自分の目でもしっかり桑田さんやメンバーを見ることができる。しかしちょっと残念なことに、近すぎ真ん中すぎなのか、両サイドのスピーカーの音が届きにくいのか、ボーカルやMCがちょっと聞き取りづらいことがある。

M2. 女呼んでブギ

2曲目もデビューアルバムから。この曲もライブでは久しぶり!いきなりノリノリになってきた。この曲でも、サビの適当な英語のようなセリフの部分を40周年メッセージに変えて歌ってた。またラストのギターソロは桑田さんと斎藤誠さんのユニゾンで楽しく。

リラックスしてとてもいい雰囲気でのライブのスタートとなった。

M3. いとしのエリー

3曲目はノリが良くてドカンと盛り上がる曲を持ってくることが多いけど、今回はノリノリではないけどジーンと盛り上げる。まさかここでエリーが来るとは思わないので、思わずホロリとしながらひたすら聴き入るのみ。最後のサビで初めて背景に映像が映写され、メンバー5人のアップが。これも感動的な演出だった。

さらに、最後の最後、🎵エーリー!とシャウト気味に歌うところでは桑田さんのボーカルだけがNHKホールの空間いっぱいに響き渡る。やっぱり凄い。あそこをあんな風に歌える人はやはり桑田佳祐しかいない。

 

ここでMC。最近はファンサービスが徹底していて、ファンと会話してみたり、「この距離は久しぶり」とか言って最前列のファンと握手してみたり。

M4. さよならベイビー

もっと初期のマニアックな曲をいっぱいやるのではと予想していたのだけど、それははずれ、比較的年代的なバランスの取れた選曲となった。この曲は2013年の35周年復活ライブ「灼熱のマンピー」以来か。さすが音楽ホールだけあってこの曲のベースやバスドラムの低音がよく響いて曲のムードを高めている。

M5. せつない胸に風が吹いてた

これはサプライズ!個人的には92年の「世に万葉の花が咲くなり」のツアー以来26年ぶりになるのか。2008年「真夏の大感謝祭」4DAYSの初日のみアコースティックセットで演奏されたらしいけど。大好きな曲なのでうれしかった!

M6. 愛の言霊~Spiritual Message~

タブラを思わせるリズム楽器のインタールードがあって、あ、これは「愛の言霊」!?と予測させた。確かこの曲は2008年の30周年「大感謝祭」(活動休止)@横浜日産スタジアム以来10年ぶり?前半のこのあたりでこんなに盛り上がる曲がくるとはちょっとサプライズ。どうやらこのあたりはサプライズの連続を狙った演出なのか?〇〇年ぶり、という曲が多かったようだ。

いつものようにこの曲のギターソロは桑田さんが弾いていた。曲の後半はオリジナルとはかなり構成も変えて、全体的にやや短いバージョンとなっていた。

M7. Seaside Woman Blues

珍しくここで短いMCが入り、「13年ぶりにライブで演奏する、大好きな曲です」と紹介してこの曲が始まった。13年ぶりというと2005年?でも2005年というと「キラーストリート」の「みんなが好きです」ツアーだけど、ツアーではやらなかったし、その年には「Rock in Japan Fes」にも出演したがその時のセットリストを見ても載っていない。いつやったんだろう?まあそれはいい。

この曲もなんとも言えない情緒のある、大好きな曲。ずっとバックのスクリーンには江の島の映像が流れていた。角度的に、茅ヶ崎側でない方角からの映像だったけど、どこから撮ったものだろう?あらためて聴いて、あらためて好きになった曲。今後、この曲を聴くとこのライブとこの映像を思い出すだろう。

M8. 汚れた台所(キッチン)

片山敦夫さんのパイプオルガンをサンプリングしたようなキーボードのソロがしばらく鳴り響き、前の曲から一気に雰囲気が変わる。70年代のハードロックとかプログレを思わせるインタールードから始まったイントロは「冷たい台所(キッチン)」。これもまた意表を突かれた。

サザンの曲の中でも異彩を放つ曲でスピード感が半端ない。歌詞の内容は現代社会の闇に切り込むようなかなりシリアスなものだけど、とりあえずライブで聴くととにかくカッコいい!

M9. My Foreplay Music

続いては最初の1音でそれとわかる強烈なイントロ。自分にとってはサザンのライブの原体験とも言える大好きな曲。ライブの定番というほどではないけれど、こうして時々演奏してくれるのがメチャうれしい。最近では2013年の35周年復活ライブ「灼熱のマンピー」の2曲目で演奏されて以来で、あの熱い夏と、リリース当時の1981年の熱い夏を同時に思い出す。

自分はもう周りには申し訳ないけれど一人飛び跳ねながらノリまくる。自分の角度からは桑田さんに隠れてちょうど毛ガニさんが見えないのだけど、時々桑田さんの陰から毛ガニさんが放り投げるタンバリンか何かが宙に舞うのが見える。桑田さんは少し足を拡げてギターを弾きながら歌う。その立ち姿がこの曲のソリッドなイメージに合っていてメチャカッコいい!最高!

M10. 私はピアノ

原坊の曲は何だろう?やっぱり「鎌倉物語」?と思っていたら、なんとなんとの超サプライズでこの曲。ライブでは超ひさしぶりではないか?少なくとも自分は初体験。これは感動だった。この曲のライブバージョンというと、1980年の発表当時にラジオで「Japan Jam」という今でいうロックフェスのようなイベントでの演奏を聴いたことがあるけど、その時にはお世辞にも上手いとは言えなかった原坊のボーカルの成長を聴くことができた。また、桑田さんがギターを弾きながら、自分のコーラスなどの出番でないときにもくちずさんでいるのが見えて(これも席が近いから)、これも楽しい光景だった。

このあたりで会場はもう大盛り上がり。曲が終わるたびにあちこちから「最高~!」「ありがとう~!」という声が飛び交う。もちろん自分も!

 

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サザンオールスターズキックオフライブ2018「ちょっとエッチなラララのおじさん」LIVE REPORT Vol.2 - えぼし岩ブルース