Five Rock Show/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

Five Rock Show

シングル「わすれじのレイドバック」カップリング

タイトル通り、Five Rock Showプロジェクトの最後を飾る曲。全部で6つの短い曲のメドレーで構成されていて、原坊を除く全員がリードボーカルを交代でとっている。中でも、イントロと最後から2番目と2度出てくる♪A lot of songs are beautiful~という短いバラッドが佳曲で、これはぜひフルコーラスで聴いてみたい、と思っていたら、これに目を付けたのが中村雅俊で、のちに「マーマレードの朝」というタイトルでカバー。シングルとして発表している。だがこれはヒットしなかった。これに不満をいだいた(!)中村が「もう1曲!」とリクエストしてできたのが、あの「恋人も濡れる街角」だったそうな。

 これは推測だけど、5か月でシングル5枚とアルバム2枚を出す!と息巻いたFive Rock Showプロジェクトだけど、シングル5枚は出したもののアルバム2枚までは出せず、中途半端でもできていた曲をこうしてメドレーで1曲にまとめたのがこの曲ではないか?

でもこの努力はすごいものだし、それまでのテレビ出演に忙殺されていたころに比べるとミュージシャンとしての充実感はあったのではないか?その証拠がFive Rock Showプロジェクトでリリースされたアルバム「タイニイ・バブルス」と「ロコモーション」「レイドバック」といった名曲たち。またその後のサザンの飛躍を考えるとこの時期がいかに重要だったかがよくわかる。

そんな思いをめぐらすほどに楽しめる1曲。