平成30年度ひとり紅白歌合戦ライブビューイング・レポ
2018.12.02
桑田さん最後のAAAライブ「第3回ひとり紅白歌合戦」にライブビューイングで参戦。
全50数曲。昭和歌謡からフォーク、ニューミュージック、懐かしいアイドル、平成のヒットソング、世界的なヒットソングまで圧倒的なボリュームと多彩な演出で一気に突っ走った至福の3時間45分。時間が経つのを忘れるとはこのことか。
過去のひとり紅白同様、桑田さん自身の曲は1曲だけ。他は今でも歌い継がれている名曲や忘れられたり埋もれてしまった曲などなど。全てが桑田さんにピッタリとは言えず、中には歌いにくそうだったりするものもあるけど、原曲とは違ったアレンジで、今回のバンドの演奏力で蘇った曲もあった。
我々は桑田さんを媒介として日本を代表するポップソングの名曲の数々を聴かせてもらってるわけで、世の中にはこんなにたくさんいい曲があるのかと改めて感じた。また桑田さんのそれぞれの曲やそれを作った(歌ったり演奏した人達も含めて)人達へのリスペクトが感じられた。桑田さんは、自身が信じる音楽の力を我々に伝えようとしているのではないだろうか?
「いい音楽のある世の中、そう悪くないよね?」と桑田さんが言ってるように感じた。桑田さん、あなたはポップミュージックの伝道師だ!
すべての曲は覚えていないが、印象に残った曲を数曲だけ。
1曲目の「憧れのハワイ航路」(岡晴夫)。実は桑田さんがこれを歌うのを聴くのは初めてではない。僕が初めて行ったサザンのコンサート。1981年の「そちらにおうかがいしてもよろしいでしょうか」ツアーではこの曲がオープニングだった!もちろん意表をつかれたし、それだけに強烈に印象に残っている。
「落陽」(吉田拓郎)
これをレゲエでやるとは!まるでオリジナル曲のような演奏。歌。最高でした。
「プレイバックpart 2」(山口百恵)
もともとカッコいい曲だけど、ブレイクとかがばっちり決まってメチャカッコいい。バンドの息の合った演奏が最高。
サザンのメンバーが出てきただけでももう涙なみだだけど、みんなで歌うのがこの曲とは!
これも原曲とはアレンジを変えて、ギターやブルースハープを効かせたスワンプロック的解釈。だけど桑田さんの歌が素晴らしくて、この曲の繊細さがよく出ていて落涙。また落涙。
「どんなときも」(槇原敬之)「君に胸キュン!」(YMO)「赤道小町ドキッ!」(山下久美子)「真夏の夜の夢」(松任谷由実)
ここはサザンでいうとライブ終盤の怒涛の盛り上がり。ここでどんな曲を持ってくるのか興味津々だったけど、この流れは良かった。ライブビューイングでは周りを気にせず立ち上がるというわけにもいかず、それが残念。
ここからユーミンの「ひこうき雲」のワンフレーズを歌い、「あ、この歌は『死』に関する歌なのか」と気づかせたところで・・・
桑田さんが歌う「ヤングマン」は2012年のライブ「I LOVE YOU ~now & forever~」でも一部聴いていたのだが、ここでこの曲が来ると、ノリノリになると同時にやはりグッとくる。映像でも西城秀樹さんのありし日の姿が。
そして「Y!M!C!A!」というコール&レスポンスがなぜか「M!O
!M!O!K!O!」と変わり・・・
「百万年の幸せ!」(桑田佳祐)
この流れでこの名曲を持ってくるとは、桑田さん、それはないでしょう!もういいオッサンがボロボロ涙を流しながら、でも顔は笑顔で、感動するしかない。
「ハバナ」カミラ・カベロ
事前にラジオ「やさしい夜遊び」でこれをやると言ってたのでわかったが、知らなかったら何のことかわからなかっただろう?前回の「Born This Way」レディ・ガガ(のパロディでジジイ・ガガ)に続く洋楽パロディ。しかし、ハバナを「バナナ」にしてしかもそれを男性のアレに例えて「バナナ農園」とか「役に立たない」とか・・・もう笑うしかない。桑田さんのセンスに敬服。
他にも挙げるとキリがないけど、この辺で。
自分も長い間ポップ・ミュージックに親しんできてるけど、ちょっと音楽に対する見方が変わったかな?と思うほどの体験だった。もう一度言う。
「いい音楽のある世の中、そう悪くないよね?」と桑田さんが言ってるように感じた。桑田さん、あなたはポップミュージックの伝道師だ!