(The Return Of) 01 MESSENGER~電子狂の詩~〈Album Version〉/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

15. (The Return Of) 01 MESSENGER~電子狂の詩~〈Album Version〉

前年に発表された同曲をアルバムに収録するにあたってアレンジを再度行ったバージョン。シングルとアルバムでこれほど違うのもサザンでは珍しい。こちらの方がより打ち込みサウンドを強調していて、RADIOHEADっぽさが強くなっている。個人的にはこちらの方が好きだったけど、2018年の企画アルバム「海のOH, YEAH!」に収録されたのはシングルバージョンで、これもシンプルでいいなぁと改めて感じた。2015年の「おいしい葡萄の旅」ツアーで演奏された時もどちらかというとシングルバージョンに近い感じだった。

詳しくはシングルの稿をご参照ください。

eboshi-rock.hatenablog.com

GIMME SOME LOVIN'~生命果てるまで~/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

13. GIMME SOME LOVIN'~生命果てるまで~

これもサザンのひとつの必勝パターンであるエロ全開のロック。エロというよりこの曲の場合「SM」がテーマとなっている。

全編にわたって鳴りまくるギターのリフはこれ以上ないほどカッコいい。リズムに乗ったサビの歌詞とボーカル、後半のブレイク!ロックンロールの典型的なパターンと言える。「マンピー」や「ボディスペシャル」ほどのインパクトはないかもしれないけど、ライブなどでももっとやってほしい曲。

SAUDADE〜真冬の蜃気楼/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

12. SAUDADE〜真冬の蜃気楼

ちょっと珍しいボサノバ。冬のイメージというのもサザンにしては珍しい。ちょっと後年のソロでの名曲「現代東京奇譚」とか「恋人も濡れる街角」に通じるものがある。中村雅俊なんかがカバーしたら結構売れたかも?

ブラジルの地名が出てきたり、独特の世界観、空気感を持つ曲。「唐人物語」もそうだが、短編小説のような味わいがある。「マイフェラレディ」と同じ人が作ったとはちょっと信じがたい。

湘南SEPTEMBER/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

09. 湘南SEPTEMBER

なぜか「湘南」や「海」をイメージさせる曲にはこういう8分の6拍子の曲が多い。ドゥーワップのコーラスも入ったど定番のリズム&ブルース。

桑田さんのイメージでは「湘南」とか「海」というのは、『キラキラ輝く夏、明るくてロマンティック』というイメージではなく『誰もいない、暗くさびしい海』というものだそうだ。この曲も賑やかな夏が過ぎ去ったあとの湘南(聴くもの一人一人の心の湘南も含めて)を感じさせる。こういう曲は、新鮮味はないけどほんとに安心してリラックスして聴けてとてもいい。

歌詞の中に出てくるVEANUSとは、鎌倉だか藤沢だかにある桑田さんの友人がやっているレストランの名前だと思う。ちょうど98年頃にこの店から「やさしい夜遊び」のライブをやっていて、なんとビートルズナンバーばかりを演奏していた。当時MD(!)に録音してサザンのアルバム並みに気に入って聴いていたんだが、今はどこかへ行ってしまった・・・痛恨・・・