①からの続き
●この今年の 新曲を初めて聞いてから、「桑田さんはこの曲をライブでどう使うつもりでこういう曲にしたんだろう?」とずっと考えていました。ノリノリ でもなく、バラードでもなく、むしろちょっと無機質な曲なので。その答えは、
曲のオケは全 部打ち込みで、メンバー全員(なんと不参加のはずの毛ガニまで!)がステージの前で桑田の歌にあわせて野暮な踊りを踊っています!イント ロではエグザイルダンスで笑わせてくれます。ある桑田のインタビュー記事で読んだのですが、イメージとしてはサザンのメンバーは箱から出 てきたゼンマイ仕掛けの人形みたいな、ファンのリクエストで歌ったり踊ったりする、I am your singerというタイトルも含めて、そんなイメージで曲をつくり、アレンジしたのだそうです。ライブでは まさにそれを体現したことになります。
そしてこの後 は、サザンならではのラストのノリノリ大爆発コーナーに突入します!
37.希望の轍
38.OH! summer queen~夏の女王様
39.エロティカセブン
40.ホテルパシフィック
41.ボディスペシャルII
42.マンピーのGスポット
●若い頃はこ の辺ずっと飛び跳ねたりその場で走ったりしていましたが年をとるにつれ足がつったりするようになりました。しかし、最近ランニングをして いるので足が強化され、久しぶりにこのコーナーを走りっ放し跳ねっぱなしでノリまくれました。曲はエロエロ系の曲が多く、それ系のコス チュームのダンサーと桑田とのからみなどいつもの演出でガンガンに盛り上がります。個人的には♪ホテルパシフィックが聞きたかったので、 これはうれしかった!また♪ボディスペシャルも久しぶりで、前半同様昔のライブを思い出して最高でした。
でもまだ♪み んなのうたや♪シンドバッド聞いてないよ!まさかやらないわけないよね!と若干不安な気持ちを残しながらアンコールへ。
アンコールを 待つ間は繰り返し繰り返し押し寄せるウエーブで盛り上がります。このあたりさすがヨコハマ!これぞサザンのライブ!?
Encore
※短い未発表 曲をはさんで
43.夕方HOLD ON ME
●出た!これ もなつかしい!自分としては20年ぶり!?
44.みんなのうた
●♪夕方~か ら間髪入れずこの曲へなだれ込む。個人的にライブで聞いて一番盛り上がるのはこの曲なので、しかもなんだかんだで99年以来ライブでは聞いてないので、これはもうはじけました。よく覚えてません。最高で した。
45.勝手にシンドバッド
●これも、昔 ながらのパーカッションのリズムで始まって♪Oh Yeah~と客をあおっていく 始まり方で、これぞ勝手にシンドバッド、という感じで最高に盛り上がりました!やっぱりこれがサザンのライブだよ!って感じ。いつのまに か毛ガニが演奏に参加してます。あとから聞いたところではこの曲と最後の♪Ya Yaだ け入ってたようです。
46.YaYa~あの時代 (とき)をわすれない
●「最後にも う1曲だけ」と言って歌ったのがこれ。自分的には多分83年以来。昔あれだけ好き だった曲だけにこのタイミングで聞けて、特別な感慨がありました。あとから思ったのですが、この曲の
「いつの日に かまた」
という一節に は胸が熱くなります。
●最後にサ ポートメンバーをのぞいたサザンのメンバーだけ残って、一言ずつメッセージをはなしてくれました。
桑田が「今回 のライブでサザンを一旦終わることができたことは自分としてはうれしい」「サザンの屋号を一旦みなさんに預けます。いつかまたとりにくる まで大事にとっといてちょうだい」と話していたのが印象的でした。
御覧のように 全46曲3時間14分のという圧倒的なボリュームのステージでした。まだ聞きた かった曲はあげればキリがないけど、これだけやってもらったらもうありがとうの言葉しかありません。
今回のライブ はアレンジはほぼ原曲通り、曲ごとの演出も、例えばホテルパシフィックのダンサー、みんなのうたの放水、ロックンロールスーパーマンの風 船、マンピーのヅラ、シンドバッドの始まり方と銀打ちなど、みんなが親しんだ演出そのままに、僕もそうでしたが、現在のライブを体験して るのに、昔のライブがよみがえってくるような、時代を超えて同時にいくつものライブを体験してるような、そんなすばらしい感動でした。お そらくはそこまで計算したすざまじい演出といえます。
つまり、楽曲 の良さ、演奏の良さ、照明や映像、特効などといった普通コンサートを演出していく要素だけでなく、時間軸や記憶までも演出に取り込んだよ うな、これまで経験したことのないライブだったかも知れません。
初めての横浜 でのライブだったこともあり、自分にとっても特別なライブでした。
サザンの今後 についての勝手な考察ですが、自分的には、2002年に桑田のソロライブを見て、ソロでこれだけ凄いならサザンはもう必要ないんじゃない かと思ったことがありました。
2005年の アルバム「キラーストリート」を聞いて、アビイロードやホワイトアルバムを思わせるところや、サポートメンバーがソロのときと変わらない こと、全体に新しい要素が感じられなかったこと、等から、サザンはこのまま終わってしまうのでは、と思いました。でもその年のライブかあ まりにも素晴らしくて、こりゃまだまだいける、と思い直したのでした。
思うに桑田さ んにとって、自由にやれるソロ活動からサザンに戻ること、サザンの枠組みを維持していくことは我々の想像以上に物凄いプレッシャーであり ストレスだったのでしょう。
桑田さんにし てみれば今回の活動休止は他のメンバーを(自分も含めて?)サザンという家から一回叩き出す。でも家は壊さず置いておくから自分の力で 帰って来いよ、という感じなのかな、と想像してます。
サザンという のはもう桑田さんを中心にした5人だけではなく、多くのスタッフが関わっているひとつの企業みたいなものだから、いろんな事情で簡単にや めたりはじめたりできるものでもないでしょう。
個人的には、 たぶんサザン活動再開はないのかな?と覚悟はしてます。それだけに23日のライブは忘れられないライブでした。
長くなってごめん。