孤独の太陽/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

孤独の太陽

1994.09.26  桑田さん2枚目のソロアルバム

ソロデビュー作「KEISUKE KUWATA 」ともサザンの各作品とも全く違う、桑田佳祐個人の内面を映すような作品。

当時のインタビューで、このアルバムについて「コタツを囲むくらいの距離でギターを鳴らしながら歌ってるイメージ」という表現をしていた。そのくらいリスナーと近い距離感でざっくばらんな演奏を、という意味だろうか?

今回のパートナーはギタリストの小倉博和さん。小林武史さんも参加しているが、以前のようにアレンジャー、プロデューサー的なかかわりではなくただのキーボードプレーヤーとして。

キャッチーなラブソングなど1曲もなくて、シリアスなテーマの曲も多い。ここ数年サザンではテクノロジーを駆使してこってりした音作りをしたり、ロマンティックなラブソングもあればハチャメチャなエロソングを歌ってみたりとかなり派手に活動していたが、その反動ともいえるような、ある意味「暗い」アルバム。聴く者の心にずっしりと影を落とすような重みがある。40歳近くなった桑田佳祐の「孤独」や「苦悩」を表現し共感を呼ぶ。ポップミュージックが音や言葉で人の内面を映す文化なら、これは桑田佳祐という人の影の側面をえぐり出した傑作。