さすらいのRIDER

ネヴィルブラザースを思い出させるような重いリズムのソウル・ミュージック。タメの効いたリズムがなんとも心地よい。

2017年の「がらくた」に収録されている「愛のささくれ」にも通じる。このアルバムに入っている曲は、桑田さんと片山敦夫さんとで主要な楽器、パートをすべて演奏していてあとはコンピュータの打ち込みによる曲と、バンドで演奏されている曲に大別されるが、この曲は後者。桑田さんにとってはこういうバンドでのレコーディングというのはおそらくは2019年のサザンでの「愛はスローにちょっとずつ」以来の久しぶりのものだったはずで、新鮮だったのではなかろうか。

またこの曲の重いリズムとマイナーなメロディは男女の刹那な関係を描いた歌詞の世界観ともマッチして独特な魅力を出している。2011年のアルバム「MUSICMAN」に入っていて今年のBLUENOTE TOKYOの配信ライブでも演奏された「SO WHAT?」にも通じるやるせない男女のちょっと危ない関係。でもちょっと憧れてしまうのはなぜ?