どん底のブルース/サザン40周年記念勝手に全曲レビュー

10. どん底のブルース

サザンの「私の世紀末カルテ」の続編のようなアコースティックな曲。これもニールヤングの影響か。

「世紀末カルテ」よりもっと暗くてまさに「どん底」を感じる。あの桑田さんの心の中にこのような闇があったのかと驚く。

またさらに驚いたのは2002年の「けいすけさん」ツアー。自分が参戦したのは福岡ドームだったが、この曲をやる前のMCでは当時のイラク戦争前夜という世相を反映して、「アメリカが戦争を始めそうだとか、そういう話をして、この曲では歌詞を変えてなんと北朝鮮に拉致された人達のことを歌っていた。およそ楽しいロックのライブには似つかわしくないトークに歌詞。ドームの数万人の観客を前にわざわざそんなものを聴かせるというのは、それを伝えなければという思いが桑田さんを突き動かしたのだろう。そんな意味で世を憂う桑田さんの思いが強く反映された曲。